＊ ページ10
「元はと言えば、私が方向音痴なのが悪くて、
最初から神山くんに迷惑をかけてるんだよね…。
気をつけなきゃ。」
だめだ。
自己嫌悪に陥るのが
いつもの癖だ。
こんなの、神山くんは求めてないことくらいわかってる。
藤井「でもさ、その方向音痴のおかげで神ちゃんに出会えたやんか。
方向音痴はAちゃんの長所やん。」
「え？」
藤井くんは、いつも私が思いもよらない言葉を投げてくる。
藤井「よかったな。
神ちゃんもAちゃんに出会えて喜んでるはずやで。
そうやなかったら俺に毎日Aちゃんの画像送ってこないし」
大毅「え゛！なんやそれ！」
藤井くんはスマホを触って、大毅くんに画面を見せた。
大毅「腕枕されてるA…」
「え？あ、ちょっと…！！！」
私が大毅くんが持ってるスマホを奪うと
私が気持ち良さそうに神山くんの腕を枕にして寝てる写真。
「ちょ、これどうやって消すの…！！」
大毅「A、お兄ちゃんに正直なこと言いなさい。
夜の営みはしたんか？してないんか？どっちなん！！！！」
小瀧「ちょ、Aちゃん困ってるやろ。なんでお前に言わなあかんねん。」
藤井くんがスマホ動かして
大毅くんが私に尋問してくるし
小瀧くんは大毅くんを宥めている。
…助けて！！！
その言葉が届いたかのように
ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
神山「お邪魔しまーす」
いいタイミングで神山くんがきた。
私はここから逃げるようにして玄関に向かい、神山くんを抱きしめた。
神山「お、おおぅ。」
「会いたかったよ…。」
神山「なんや、どうしたんA
俺と毎日会ってるのに。
寂しくなったんか？」
そう言ってギュッて抱きしめ返してくれる神山くん。
「うん。すっごく。」
神山「今日は素直で甘えたさんやな。」
神山くんの服からは
急いできたのか
少し汗ばんだ匂いがして
なんだか言葉に表せない愛おしさで心がいっぱいになった。
大毅「あのぉ…ここおれんち」
「あ、、、、、ごめん」
藤井「男3人できつかったもんな
神ちゃんも男やけど、彼氏やから安心できるし」
小瀧「それは一理あるな。神ちゃんとの馴れ初め聞いちゃったし」
神山「え゛！言うたん？」
「ご、ごめん」
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作者名：きい
| 作成日時：2021年3月28日 0時
