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「久しぶり。智洋。元気やった?」






神山「ナツ…なんで」





ナツ「朝、女の子と一緒に大学来てるの見かけて。




友達?」





二限が終わって、Aのことを正門の前で待っていたら。




Aごめん、5分くらい長引くかもしれない

神山了解。待ってるからゆっくり来てや。




返信して顔を上げると、4年ぶりくらいのナツと再会した。







神山「ここの大学なん?」




ナツ「そう。びっくりしちゃった。



智洋もここの大学やったんやね。





どこの学部?」




神山「情報理工やけど。ナツは?」



ナツ「理学部」





Aも理学部。



まあ、この大学は人数多いからAと友達なわけないよな。





ナツ「それで?」



神山「なに?」



ナツ「そんな顔すんのやめてよ。








ちょっと。そこのカフェでお茶せえへん?」







嫌な顔が表情に出ていたのかもしれへん。



でも、仕方ない。



あの頃のことなんか。





神山「待ってる人おるから。」






ナツ「あのこと、ずっと謝りたかった。




でも、私すぐ引っ越しちゃったから謝れなかったことずっと悔やんでる。






あの時のこと話したくて。





それから…。」








ナツは腕まくりをした。




そこには何箇所もの傷。




明らかに誰かに殴られた傷跡と打撲痕。







神山「…どうしたん」




ナツ「相談に乗ってくれへん?




私、もう限界で…。」




ナツが俺に目で訴えてくる。


…あの時もそうやって俺にヘルプを求めていたのかもしれへん。






…スマホを見ると



Aごめん、教授の話が終わらない。先行っててください




Aの淡白な文章。




LINEやとAの感情がひとつも出てこない。


それで時々不安になる。






会うとそんな感情は一気に吹き飛ぶんやけど。







俺はスマホを閉じて




神山「今日だけなら」





そうナツに言った。







ナツの表情が少し明るくなった気がする。






そういえば、高校時代のナツはいつも明るかった。




やのに、暗い性格にさせてしまったのは






もしかしたら俺のせいなのかもしれへん。






俺はナツと一緒に足を進めた。

自分という存在→←*



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作者名:きい | 作成日時:2021年3月28日 0時

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