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仮眠室でその名の通りすっかり寝てしまったAをおぶって家路につく。







藤井『でも、なんかあったら言ってや。




あと、Aちゃんに苦しい思いをこれ以上させんなや』




神山『わかってるって。


ありがとう』




あれだけ口論しても、流星は俺の友達。




絆がかなりかたい。





「ん、あれ、神山くん…。」




ちょうど、ドアの前で鍵を開けたら


Aが背中がモゾモゾした。



神山「あ、起きた?




ごめん起こして」



「ううん、不眠症だから」



神山「ハハ、関係ないやろ」






俺の後ろでAの声が聞こえてくすぐったい。





俺がしゃがむと、Aはありがとうと呟いた。




「重かったでしょ」


神山「全然」



俺が立ち上がると



Aは、少し下唇を噛んで俯く。







これは、Aのクセ。




俺らは部屋に入った。






神山「なんか嬉しいことでもあったん?」





そう聞くと、Aは大抵驚いた顔をする。






「あ、えっと…。」




Aは自分のクセに気づいてないんやろな。



嬉しいことがあると、下唇を噛んで俯くクセ。




Aは毎回俺がエスパーやと思ってんのかな。







「神山くんの背中が温かくて。




神山くんの香水の香りがすごく心地よかった。」






そう言いながら頬を赤らめるA。





いや、こっちが恥ずかしいわ。







神山「なんやねんもう…。」



「…?」



ほんまに、Aは。



前から思ってたけど



Aは意外と自分の気持ちを素直に吐く。



気を使いすぎなところがあるくせに


俺の理性を揺さぶってくるようなことはどストレート。








神山「今日俺保てるかわからへんわ。」



「えっと…?



あ、喫茶店でご飯食べちゃった?





一応グラタン作ったんだけど…。」




Aが冷蔵庫からグラタンを取り出した。




俺は深く深呼吸をした。




神山「ありがとう。食べる。


Aは先お風呂はいってきてええよ。




何分チンすればええ?」




「8分。


じゃあ、お先に入るね。」






Aはグラタンを電子レンジの中に入れてタイマーをセットした。

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作者名:きい | 作成日時:2021年3月28日 0時

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