ムナシイ人生 (ページ3)

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「こーち。」

「A。授業出てなかっただろ。これ、今日の板書ノート。」

「ありがと、こーち。」

髙地からノートのコピーを受け取ると、

髙地は心配しているような顔で私の顔を覗き込んだ。

「今日もアキちゃん送りに行ったの？」

「うん。仕方ないでしょ。奈緒が急にいなくなったんだから」

髙地は幼馴染の同級生であり、小中高、大学まで私と同じ学校だ。

奈緒も高校までは同じ学校に通っていたから、髙地は私と奈緒の関係を知っている。

「俺が迎えに行ってもいいけど」

「なんで。髙地は関係ないじゃん、この複雑な環境に」

「でも、この大学でアキちゃんのことを知ってるのは俺だけだから」

「ありがとう。でも1人でなんとかするから大丈夫。心配してくれてありがたいけど。」

「なんかあったらいつでも助けるからな。遠慮すんな」

髙地に頷いて私は隣でお弁当を広げた。

頷いた私を見てホッとしたのか、髙地もとっくに伸び切ったラーメンを再び啜り始めた。

いくら、私と奈緒の高校時代のことを全て知っているからといって、

髙地に頼ってはいけない。

髙地には関係のないことであり、これは私と奈緒の問題なのだから。