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「…そっか。」







「久しぶりにちゃんと喋れてよかった。望くん…本当にありがとう。」







「…なにが?」







「私、望くんに一緒に本土に帰ろうって言ってくれなかったらきっとずっと自己嫌悪に陥って、




智洋くんのこと許せなかったと思う。





私も悪いところがあったの。





今日ちゃんと智洋くんと10年ぶりに話すことができて本当によかった。




人に頼らないように生きるってあの時決めたけど





本当は頼りたかったんだと思う。」












Aさんは、ホンマは人に頼りたかった。



けど、高校時代のトラウマがきっとあって、それで人を頼れなかったんや。




今日のAさんは、今までとは違って生き生きしていた。





何を話したのかはわからへん。でも…。


それは俺が介入する話ちゃうし、お互いがお互いを思っていたあの頃の気持ちをちゃんと整理できたなら



俺はそれが自分の望んでることやと思う。













「だから、望くんのおかげ。ありがとう。」




”Aさん”





いつの間にか俺らはソファの上に並んで座ってお互いを大事に見つめていた。




「ん?」



”神ちゃんのこと、また好きになった?”




「え?」




”それとも、流星のこと好きになってもうた?”
















「…望くんは嫉妬深いの?」








”ごめん、俺…。”






心のどこかで、神ちゃんに俺は叶わないと思っている。





神ちゃんの方がしっかりしてるし、流星の方がチームジャニーズWESTに貢献している。







こんな俺が、Aさんのそばにいて


Aさんのためになっているんやろうか。

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作者名:きい | 作成日時:2021年10月17日 19時

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