[4]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ14)

今日:14 hit、昨日:6 hit、合計:50,033 hit

14[T.K] ページ14

「智洋くんと一緒じゃない生活は、とても辛い。」

「ごめん、俺…。」

”ずっと、仕事でAのそばに居られへんかってごめん。”

Aは俺のジャケットの裾を人差し指と親指でつまむ。

そこに寂しさの全てが詰まっているような気がして、

自分の手でくるめたいのに

今の自分にはそんな資格がないように感じた。

「私は、智洋くんがいないと楽しくないよ。」

「この先何があっても一緒にいたいって思うのは、私だけだった？

Aが悲しくなったら一緒に泣きたいし、Aが楽しくなったら一緒に喜びたい。って

そう言ってくれたの、ずっと信じてた……。」

「…………。」

「智洋くん、私が悲しい時、一緒に泣いてくれた？

苦しみが分からなくても、

私は智洋くんがそばにいればどんなことでも乗り越えられるって思ってたよ？

その言葉、信じてたよ？」

「……………A。」

「こんなこと、言いたくないけど……。今だって、楽しくない。」

「…………………。」

「もう、無理しなくていいよ。」

「え……？」

「……..............頑張らなくていいよ。私なんかのために。」

Aは涙をグッと堪えて唇と手ではっきりと言った。

「別れよう…………….。」

そう言って、俺の服の裾から手を離した。

そして、俺に背を向けた。

「卒業おめでとう。…………バイバイ。」

Aと俺との恋が、ここで無惨に終わってしまった。