[4]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ1)

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俺はAと幼馴染で、家族ぐるみでの付き合いがあった。

Aは小さい頃は今となっては考えられへんくらい天真爛漫な子で、

木に登ったり、川に入っては魚を手掴みするほどアウトドアなおてんば娘やった。

そして、俺らの仲も順調やった。

俺は中学３年生の時、Aと同じ高校に上がるタイミングで告白。

Aは嬉しそうに受け入れてくれた。

その時はすでに事務所に所属していた俺。

高校は地元の学校やったから、中学からの友達がほとんどその高校に上がるようなもんで、

Aも俺もいつものメンバーと喋ることもありながら、

登校下校はできるだけ一緒にすることが多かった。

「A、帰ろうや。」

違和感は突然訪れた。

ある日、Aの教室のドアでいつも通り俺が呼んだ。

俺の部活が終わるのを待つまで読書したり勉強するAは、

俺の声が聞こえれば振り向いて笑顔になり、そのまま片付けを始めるはずやのに。

Aは俺の声に気付きもせえへんかった。

聞こえなかったかな。

俺が教室に入って、Aに近づきながら呼んだ。

「A。」

「あ、お疲れ、智洋くん。」

さっきのは勘違いやったんかな。そう思うことにした。

Aはいつも通りに戻り、片付け始めた。

「なんの本読んでたん？」

「宮部みゆきの本だよ。智洋くん、読書に興味あったっけ？」

「ううん。」

普通に会話できてるよな。問題ないはず。