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「…ごめんね。昨日。ちゃんと伝えれてなくて。」
ダイニングテーブルを挟んで俺とAさんは椅子に座る。
「こないだ、新藤さんっていう人にイベントのデザインを考えてほしいって言われたって
望くんに言ったと思うんだけど…。覚えてる？」
”楓に会いに山梨行った時やろ？”
「そう。実はそのイベントがジャニーズWESTさんのライブ演出で…。」
”そうやったん？”
知らんかった。ライブのコンセプトを考えているのは流星。
流星が色々とツテを辿ってたどり着いた先やったんや。
ほんまに世界は狭い。
「受けようか迷ってたってその時言ったのは、メンバーに智洋くんがいたから。」
”あぁ…。”
妙に納得してしまった。
Aさんは、絵画展で神ちゃんと再会したのがきっと10年ぶりやったんやと思う。
…あれ？俺は違和感を覚えた。
”Aさんって、俺と同い年やんな？”
神ちゃんの話を聞いた時に疑問に思ったことをぶつけてみると
「あ…。」
Aさんは舌をちょっと出してごめんと謝った。
「うん。ほんとは智洋くんと同級生。望くんとは３歳違うかな。」
”そうなん、なんで嘘ついたん”
「敬語やめて欲しくて。それだけ。ごめんね。しょうもない理由で嘘ついて。」
Aさんは俺よりも３つ年上。でも、そんな風には見えないAさん。
俺の中で年齢なんてもう関係ないくらいAさんにのめり込んでいた。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年10月17日 19時
