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「Aさん!!!
大丈夫!?」
いたそうに腰をさするAさんに駆け寄り、俺は楓をキッと睨んだ。
「楓、ママに謝りなさい。」
そう言うと、楓は叫んだ。
「ママ、楓のママじゃないくせにずっとママって楓にうそついてた!!!」
「え…。あ、楓!コラ!」
楓は泣きじゃくりながら玄関を飛び出した。
Aさんは痛そうにしてしばらくは動けない。
「Aさん、大丈夫?」
届いてるはずもないけれど必死に背中をさすりながら聞く。
Aさんは俺の口元で判断したのか大丈夫だからと呟いた。
さっきの高速の手話を思い出す。
思い出す限り、耳に届いた単語は
楓 本当 親 来た
「え、まさか…。」
俺が男女2人を見上げると、女性の方が申し訳なさそうにしてそうなんですと呟いた。
ひとまず、俺は2人を居間へ案内した。
「立てる?」
Aさんは痛みがおさまったようで、俺の支えを借りながら立ち上がった。
「望くん、手話の通訳頼める?」
「いいけど…。サヤカさん呼んだ方がいい?」
「…そうだね。その方がいい。私が呼んでくる。
望くんは2人の相手してもらっていい?」
「OK」
「ごめんね。」
何で謝るん。
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作者名:きい | 作成日時:2021年9月8日 22時