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「ハハ、お昼寝するのかと思ったら起きてたのね。」





そう言って、外の景色を見るAさん。





その横顔があまりにも綺麗すぎて見惚れてしまうと、Aさんは深呼吸をする。


どうしたんやろ。







「…………ここにきて6年経つんだ。」



「……」



「6年経ったら、さすがに心境変わるかなって思うでしょ。




そろそろ本土に戻りたいとか。」






「………」



「思わないよ。全然。」




「…」





「思わないからこそ、ここでの暮らしの可能性を無限にしたいの。










望くんも、帰るなら今のうちだよ。」







そろそろ、かえりどきかもしれへん。


だけど、心の準備はまだできているわけがなかった。



Aさんのいうとおり、ここの暮らしはとても無限大の可能性に満ちている。




楽しいし、気張る必要もないから楽。


お金もそこまでかからへん。






貯金していた分を切り崩しても余裕なくらいの質素な生活を送れていることに





俺は楽しさを見出している。

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作者名:きい | 作成日時:2021年9月8日 22時

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