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「聞こえてる。全部聞こえてる。」



鼓膜に響き渡る嬉しさを噛み締めながら、俺は涙を流した。




「ありがとう。ホンマにありがとう。


俺の身勝手やのに俺のことを考えてくれて。」


そう言うと、濱ちゃんは嬉しそうに言った。





『困った時はお互い様やろ。


デビュー当時から変わらん俺らの信念やんか。』





その言葉の重みを十分に感じた。



俺らはデビュー当時、あの葛藤があったからこそこうやって7人でおれるんやから。




助け合っていく精神。



ここはやっぱり自分の時間を大事にして結論を出したい。







「必ず自分で答えは出すから。」



『分かってる。はやめがええけど…いつでも待ってるで。



それまで俺ら頑張るから!戻った時は人一倍働けよ?』



「わかってる。」


『あ、そうそう。』





電話を切ろうと思ったら、濱ちゃんはまだ何か用事があるみたいで、






「なに?」



『お前、どこおるん?』


「………。」











『せめてどこにおるかだけでも教えてや。


別に会いにいくってわけちゃうし。


連絡取らんって決めたからには居場所くらいは把握しとかんと。


実家にも自分の家にも居らんのやろ?』





「…うん」





『どこ?』


「島。」


『は、島?』

「…そう。」



『島って、え?民宿とか?』






「いや、まあ、ちょっと。



島の人に個人的に匿ってもらってる。」


『どういうこと?え、なんで島?』




「家、マークされてたやん。週刊誌に。


実家もきっとマークされてるやろうから帰りにくくて。」



『うん。』







「それで、東京の賃貸、契約更新するのやめた。」



『え?』


「来月には売り物件になるはずやで。」


『……来月って。5日後やん』


「そやなぁ。」




俺の意味わからん行動に濱ちゃんの頭が追いついていない様子が声だけでもわかる。



…ごめんな、濱ちゃん。


確かにあの時は思いつきで即行動やったけど


俺は後悔はしてへん。

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作者名:きい | 作成日時:2021年9月8日 22時

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