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「のんすけは、ママとけっこんしてるんでしょ」




「…え?」



「だから来たんでしょ、この島に。



そうじゃなかったらここに来ないよね?」




「……楓。」






「もういいよ。のんすけがパパだったらいいのにってずっと思ってた。











縁側で2人でしゃべってる感じからしてけっこんしてるんだってわかったもん。













だからまってた。







のんすけがパパだってちゃんとママが言ってくれるのまってた。
















なのに…




かみさまはイジワルだよ。






まいにち神社でおねがいしてるのに。













のんすけはパパじゃないどころか、ママもママじゃないんだもん。」





















楓はまた込み上げた涙をきれいに流した。





もしかしてそうなんじゃないかと少し期待していた予感が





膨れ上がって破裂した瞬間に沈んでいけば、









楓は悲しみのどん底に落とされ、








何もかもが嫌になる。





10歳が抱える悩みとしては、重すぎた。









早く楓に言わなあかんというAさんの焦りと裏腹に、










楓はパパが近くにいるのかもしれないという淡い期待を俺にしていて、










信じていたものが裏切られた闇は、地獄よりも深い。

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作者名:きい | 作成日時:2021年9月8日 22時

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