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学校にも行かず、私は何してるんだろう。
昼寝をと思って寝て起きたらもう夕方。
…こないだの運動会から、全く学校に行けてない。
台風の目を代役でやってくれたアオイに謝ってないし
ともくんとはあれから一度も会ってないし
大毅とも。
しんどい。
一番好きだった仲間が、近くにいないだけでこんなにしんどくなるなんて。
これは私が招いた惨事なのに
結局自分の心が弱いから起きたことなのに。
誰にも言えないで自分の心の中にしまっていた、
私は醜い哀れな人間だ。
ベッドの上で横になったまま、一粒の涙が流れた。
今日学校でこんなことがあったんだよって
言える家族がいないことの虚無感。
こないだまで、家族だったのに。
ひとりになっても、家族なのか
いきなり、小さくドアが開いた。
見ると、大毅が遠慮がちに手を挙げていた。
「…ノックぐらいしてよ。」
重岡「ノックしたら絶対入れてもらえへんやん。」
大毅はドアを閉めて私がいつも使っている勉強椅子に座った。
重岡「神ちゃんと喧嘩したん？」
「…知ってるくせに。」
重岡「ハハ、まあな。」
大毅は鉛筆を鼻と口の間に挟んで遊んでる。
何しに来たんだ。
重岡「何本挟めるかな。」
「はい？」
重岡「何本挟めると思う？
ちょっと、予想してや。」
「なんで」
重岡「いいから。」
そう言って机の引き出しから大量の鉛筆を取り出した。
「そんなに挟めるわけないじゃん。
多くても３本とかじゃないの？」
そう言うと大毅はニヤニヤして鉛筆を挟み始めた。
2本目すらなかなかうまく行かない大毅。
重岡「あれ、おかしいな。」
「流石に2本はいくでしょ。」
重岡「ここ、日本やし」
「ふふっつまんな。」
そう言うと、大毅はあー！！と大声を出した。
「なに？うるさ」
重岡「へへ、やった。」
そう言って鉛筆を放り投げ、私の隣に座る。
「え、鉛筆は？」
重岡「もう用済みや。」
「はい？」
大毅は、こっちを向いてニコッと笑った。
重岡「笑った顔が一番ええ。」
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作者名：きい
| 作成日時：2021年6月5日 16時
