心の声を聴きたくて (ページ30)

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重岡「俺、聞いてたで。」

　

私が学校に行ってしばらくして、大毅が受付に戻ってきた

その時に聞いたらしい。

委員『あれ？緑川さんは？』

委員『学校』

委員『え？学校？なんで？』

委員『これくらいはしとかないと。

集まりに全然参加せんでできる仕事やと思ってるから。

なめてるんやな。』

委員『あー、まあ、参加さんのはちょっとおかしいよな』

　

この会話を聞いて大毅は私を心配して電話してくれたらしい。

　

バラされた委員の先輩は、私を睨んだ。

委員「アンタが悪いやん。

人様に迷惑かけて当日だけのうのうと参加して。

私たち3年生がどんな思いでかの体育祭を盛り上げようと頑張ってんのか

アンタわかってんの？なあ？

この仕事なめてるやろ？

ふざけんな！」

重岡「だとしてもAを学校に行かせるのは違うやろ！

ふざけてんのはそっちやろ！」

委員「はあ？アンタ関係ないやん。

私の気持ち知らないくせに。

3年生は執行代だから大変やねん！

こっちの事情も知らんで」

重岡「Aやって事情があるねん！」

委員「なんの事情？そんなに大きい事情なん？」

重岡「Aはな…！！」

「やめて…！」

私の横でヒートアップする2人に、私が大声を出すと

2人ともこっちを向く。

もう…やめて。

「…すいませんでした。

私が悪かったです。」

重岡「A、お前はわるない」

「悪いの。

どんな事情があろうと、集まりに参加しなきゃいけなかった。」

私は先輩に頭を下げた。

「申し訳ありませんでした。」

そう言うと、先輩はため息をついた。

委員「もう、シフト終わりでええよ。」

重岡「なんで謝らへんねん。」

「はい、すいませんでした。」

溢れそうになる涙を堪えながら、私は受付のテントを去った。

重岡「A…！」

大毅の声が聞こえるけど

　

ここで振り返って

大毅の顔見ちゃうと

絶対に泣く自信ある。

　

　

私は駆け出した。

そのままクラスのところに戻っても

ともくんに、なんとなく会いにくい。

私は建物内の仮保健室に向かった。

　

種目もやってる余裕ない。