心の声を聴きたくて (ページ28)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:45,071 hit

＊ページ28

「あ、あの、ビデオ許可証のリボンってどこにありますか？」

近くの人に聞くと、

委員「あ！そや！職員準備室に置いたまんまやん！

ごめん、取りに行ってもらってもええ？」

「え？学校のですか？」

委員「ごめんなぁ？」

私の高校は、土地が狭いため運動場は違う場所にあり、

学校から徒歩15分。

つまり、小走りで行って帰ってきても、20分はかかる。

保護者受付開始まであと40分。

…まあ、なんとか余裕か。

一応陸上部だし。

それに、受付をするのは私だから。

「分かりました。」

　

私は急いで運動場を飛び出して学校へと急いだ。

途中、父兄と思われる人たちがワクワクしながら歩いているのを何回も見た。

…私も、お母さんとお父さんを連れていく予定だったのにな。

そんなことを思いながら足を早める。

　

　

「黄色のリボンどこだ…。」

職員準備室に着いたけど、探してもどこにもない。

黄色だからすぐに見つかると思ったんだけどな…。

ともくんが言うには、800枚くらい用意してあるって言ってた。

そんなにあったら見つかるでしょ…。

おかしいな、どこを探してもない。

　

　

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

スマホが鳴り、取ると

重岡『A？今どこ？』

準備が終わって戻ってきたらしい大毅が焦った様子の声。

「えっと、職員準備室。」

重岡『は？学校の？なんで？』

「ビデオ許可証の黄色いリボンがこっちにあるから今探してて…。」

重岡『え？あるで？こっちに。

800枚やろ？

あと10分やで？はよ戻ってこんと間に合わんで！？？』

　

　

　

私は大毅との電話を切って

天井を見上げた。

　

　

…ハメられた。