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病院から連絡があって、駆けつけた時にはもう遅かった。
うつ病と診断されたお母さんは
１ヶ月も経たずにこの世を去った。
知らない間に薬局へ行って、大量の睡眠薬を買っていたことが
あとからわかった。
「お母さん…
お母さんってば！！！返事してよ！！
なんで？
なんで私だけ置いていくの？
ねえ、なんとか言ってよ！！！！！！」
霊安室で叫んだところで
お母さんは微笑まなければ、目を開くこともない。
私の話、たくさん聞いてくれたじゃん。
体育祭、観に行くって。
その後の陸上の県大会だって応援に駆けつけてくれるって言ったじゃん。
入院中も、少しずつ症状がおさまって
いつもの明るい性格に戻りそうなところだったのに…！
どうして？
遺書は見つかることはなかった。
ただ、一言。
“Aはわたしたちの宝物。ありがとう”
お母さんの筆跡だった。
私はその紙を握りしめて、病院を出た。
お医者さんから色々と手続きのことを言われた気がするけど、覚えてない。
もう、わかんない。
手続きとかそんな、事務的なこと言われても。
感情が追いつかない。
必死すぎて、だめ。
お医者さんも見かねて、大毅のお母さんとともくんのお母さんに電話してくれた。
高校生の私にはよくわからない。
そんなこと考えたくない。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年6月5日 16時
