＊神山 ページ16
神山side
病院で、リハビリをやっていると、ドアからシゲが見えた。
神山「シゲ。」
重岡「よっ。」
神山「どうしたん。」
シゲが頭を掻きながらこっちを苦笑いで見る。
今日は日曜日。
日曜日とはいえ、運動部は大体ある。
シゲもあるはずやけど
神山「部活は？」
重岡「あったけど、午前で終わった。」
神山「A来たん？」
重岡「来たけど、すぐ帰った。」
神山「そっか。」
リハビリは別にわざわざ友達が来るようなところではないから、
しかも、シゲが部活終わりに来るなんて、珍しい。
なんかあったんやろか。
重岡「リハビリいつ終わる？」
神山「いや、もうすぐやけど。」
重岡「じゃあ、終わったらAんち行こうや。」
神山「今から？用事あるんちゃう？A早退したんやろ？」
重岡「うん。でも行こ。」
シゲは思い立ったら即行動派。
知りたい気持ちは分かるけど、Aがホンマにおるか分からへん。
神山「わかった。ちょっと待ってて。」
シゲは待合室で待ってくれることになった。
トレーナーに挨拶して、急いで荷物をまとめて待合室に行く。
神山「お待たせ。」
シゲが、あたふたしている。
神山「どうしたん。」
重岡「ちょ、一緒に来て。」
俺はよく分からんままシゲのあとをついていった。
重岡「さっき、飲み物飲もうと思って自販機行ったんやけどさ。
ここ通って。
そしたら、ほら。」
シゲがある病室を指差す。
そこには
神山「A？」
Aが、専用の椅子に座っていた。
ベッドに座っている人が誰なのか分からない。
ドアの方を見ると
”緑川 様”
と書いてある。
神山「え、Aのお母さん？」
きっとベッドに横たわっているのはAのお母さん。
重岡「知ってた？Aのオカンが入院してるの。
神ちゃん、ここの病院でリハビリいつもしてるんやろ？
会わんかったん？」
神山「いや、全く気づかんかった。」
ここで、Aのおかんが血相を変えて家を飛び出したあの場面を思い出した。
母『お父さんが、お父さんが…！！』
あの時、AのオカンがAのおとんの事で焦っていた。
何があったんやろ？
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作者名：きい
| 作成日時：2021年6月5日 16時
