心の声を聴きたくて (ページ14)

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＊重岡ページ14

重岡side

ある日の放課後。

中間テストも終わり、だいぶ蒸し暑くなってきた。

今日は夏休み明けに行われる体育祭の実行委員の集まり。

俺とAは今年も立候補。
去年やっていたから慣れてるはずやし、やろうやってAに言ったら二つ返事でやることになった。

自分の荷物を整理して教室を見回してもAがおらん。

重岡「なあ、Aは？」

Aの隣の席の神ちゃんに聞くも、

神山「帰ったで。」

重岡「また？これから体育祭の実行委員の集まりやのに。」

もう何回目やろう。

Aが実行委員の集まりに参加しないのは。

参加せず、代理で神ちゃんが毎回来てくれているから、

三年生にもAより神ちゃんで認識されてしまっている。

神山「俺が今日は代わりに。」

重岡「今日も、やん。」

多目的室に集まり、委員長が来るまでの間

俺は最近のAについて、神ちゃんに不満をぶつけていた。

あんなに部活に一生懸命やったAが、最近部活をちょくちょく休むようになった。

週に４回あるこの部活。
もちろん幽霊部員もおるから、

週に一回しか見いひん奴もおるけど。

中学の時から陸上部やった俺とAは、二人とも緊急事態でない限り部活は休んだことなかった。

Aは俺よりも努力家で自主練もかかさへん奴で

朝は海の方までランニングをしているほど。

　

重岡「Aに部活休んでる理由聞いても、教えてくれへんねん。

神ちゃんなにか知ってる？」

神山「いや。何も。」

ただ、神ちゃんも神ちゃんで、最近のAがいつもと違うことは気づいていた。

朝は毎日一緒に登校していたのに、

それも、週に１回一緒に登校するかくらいになったし。

それに、インターホンを押しても返事なし。

そして、チャイムギリギリになって教室に駆け込んでくる。

神山『寝坊？』

『へへ。最近夜型になっちゃって。』

神山『夜更かしはあかんよ。』

『ともくんこそ。夜遅くまでゲームやったら朝起きれなくなるよ？笑』

こんな会話を横目で、俺はAのそんな行動に対してちょっとイラっとした。

事情があるかも知らんから、なんも言わんかったけど。