心の声を聴きたくて (ページ13)

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小瀧「A先輩！」

3人で校門をくぐり、アオイとも合流したとき、

こないだの小瀧くんが反対側から元気よく手を振ってきた。

Aのことを好きって言って、Aを困らせてたけど、

本人はあまり気にしてないらしい。

俺は、告白をする勇気すらないのに。

俺が言うのもなんやけど、

俺とシゲ、Aは幼馴染で

特にAは3人の中で1番このメンツに対する愛が強い。

だからこそ、誰とも付き合いたくないらしい。

俺らどちらかに彼女ができたら、彼女に申し訳ないから俺らとはあまり喋らないようにするって言われてる。

そこまで徹底することないのにって思うけど。

もっと言えば、Aは俺とシゲのどちらかとは絶対に付き合わないって俺らに言った。

それは、２対１の構図になるのが嫌やから、やって。

そんなこと言われたらさ。

そりゃ、俺も告白しにくくなるよな。

それに、シゲは俺がAのこと好きなの知らんから余計に。

小瀧「先輩そっちの方面なんすね。

俺、反対側やわぁ。」

あちゃー、と、額に手を当てる小瀧くん。

アオイ「まずは、おはよう、でしょ？」

アオイは、挨拶に関してはとってもうるさい。

親が２人とも教師らしい。

まあ、それ言われたら納得できるな。

小瀧「あ、A先輩。

おはようございます！」

「あぁ、おはよう。」

重岡「俺もおるからな！」

小瀧「名前知らんし。」

重岡「おい！先輩やぞ！」

「まあまあ。

こちらが重岡大毅。

で、笹本アオイ。

で、神山智洋。」

小瀧「おはようございます。」

アオイ「おはよう。」

神山「おはよう。」

今まで、4人で行動する時は

前がシゲとA。
後ろが俺とアオイだった。

移動教室とか体育の時とかは今も変わらずやけど。

いつからか、朝は小瀧くんがやってきて

前は小瀧くんとA

後ろはシゲと俺
その間の後ろにアオイ

で、行動するようになった。

いつからか俺はのんちゃんと呼ぶようになり

タメ口で会話され、

俺からしたら、あまりいい気分やなかった。

そういうマナーに厳しいアオイは

自分のことじゃなかったら興味ないらしく

のんちゃんに全然注意せえへん。