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「そういえば、ともくん、
今日から授業なのに、昨日は図書室でなんの勉強してたの？」
神山「予習。」
「えら。」
神山「だけど、途中で昼寝しちゃってさ。
２時間くらい寝てもうた。」
「そんなに寝たの？笑
まだ成長できるね。身長。」
何か
違和感を持つのは、俺だけなんかな。
うまく、うまく表現できひんけど、
ぽっかり空いた穴を
悟られまいと、笑顔と得意のおしゃべりで埋め尽くそうとしているAが
妙に明るい。
いつも明るくて天真爛漫なんやけど。
表面を削ったら、不透明になるようなそんな感じ。
昨日
なんかあったんかな。
神山「お母さんの誕プレ。
ちょっとだけ土ついてたから、落としといたで。」
「あぁ、うん、
ありがとう。今日の夜渡す。」
神山「そっか。昨日はケーキ食べたん？」
「うん。」
神山「日常やな。」
「日常日常。」
ふと、Aの方を見ると、ん？って。
やっぱり、勘違いかな。
神山「喜んでくれるとええな。」
「ねー。めっちゃ悩んで買ったからなー。
ともくんも付き合ってくれたし。」
神山「どんな反応やったか、教えてや。」
「オッケー。すぐ連絡するわ笑」
シゲの家に着いた。
いつもなら、シゲの家のインターホンを押すのはAやけど、
今日は俺が押した。
シゲがすぐ出てきて
サンドイッチを口にくわえている。
「おはよう。
サンドイッチねー。
明日はハンバーガーかな？」
重岡「おはよ。」
神山「おはよう。」
重岡「ハンバーガーくわえられるくらい、大きい口になりたいなぁ。」
「口裂けちゃう。」
重岡「裂けたところはチャックで閉じるわ。」
「何言ってんのか全然わかりませーん。」
Aとシゲは喋りながら
息切れすることなく、競歩で駅まで向かう。
俺はこの毎朝の運動で体力づくり。
ダンス部は、中学生の時に入ってたけど、足の怪我でこれ以上できないって病院の先生に言われて断念。
週に１回のリハビリは今も続けているけど、完治はできないと言われた。
高校になって、帰宅部。
Aに行ったら
『帰宅部ってどんなことするのっ？
部員の家に行くの？』
って、昔言われたことがある。
それには流石に笑ってしまった。
口が裂けるほどに。
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作者名：きい
| 作成日時：2021年6月5日 16時
