*ハツ ページ8
ハツside
ハツ「のんちゃん…」
私はすぐに冷静さを取り戻す。
のんちゃんの前では、明るく振るまわなきゃ。
ハツ「見た?昇降口の貼られてた写真…。
Aさんって、人と戯れること自体苦手そうなのに
神山くんと外で堂々とキスできる人なのね。
神山くんと話してるところなんて見たことないのに。
ちょっと、Aさんが怖くなっちゃった。」
そう言ったら
のんちゃんは、私に近づいた。
何。
俺が守ってやるとか
かっこいい言葉言ってくれるのかしら?
そう思ったのに
小瀧「俺ら、別れよ。」
ハツ「…え?」
今なんて?
別れる…?
驚く私をよそめに
のんちゃんは、深くため息をついた。
小瀧「お前、Aさんになにかされたんか?」
ハツ「どういうこと?」
小瀧「あんな写真をたくさんの人が見るような場所に貼って。
お前やろ?あんな騒ぎ起こした張本人は。」
予想もしなかった展開。
なにこれ。
なんでのんちゃん…。
ハツ「わ、私がそんなことするわけないじゃない?落ち着いてよのんちゃん。
別れるなんて、どうして?」
うそ。落ち着いているのはのんちゃんで
動揺しているのは、むしろ私だ。
小瀧「どうして?
こんな写真を撮って、Aさんの気持ちを考えたことあるんか?
あんなことしといて、よく平気でいられるよな。
呆れたし、心底お前のことを軽蔑する。」
ハツ「だ、だから、あれをやったのは」
小瀧「どう考えても、お前しかおらんで?
学校の屋上の写真。
神ちゃんがAさんのことを抱きしめてる写真。
あれ撮ったのは、シゲが屋上のドアから2人を覗き見しているのを発見した日やろ?」
のんちゃんが、怖い。
まさか、あの時から私のことを。
小瀧「あの時、俺は屋上でなにしてたん?って聞いたけど
お前はシゲと会ったって言っただけで、2人がベンチで座ってることは言わんかった。
なんか企んでるんやろうなとは思ってたけど。」
あの時から私のことを怪しんでたってこと?
信じられない
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作者名:きい | 作成日時:2021年4月28日 16時