[2]人間不信の安全地帯 (ページ7)

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＊ハツページ7

ハツside

ふふふ。

いい感じにみんなが動揺している。

昇降口の校舎から少し離れた小さい校舎の二階の窓から

みんなの慌てた様子を見物している。

そりゃそう。だって大スキャンダルだもん。

誰も予想していなかった、神山くんとAさんのツーショット。

今回昇降口に貼った写真は4枚だけど、この携帯の中には

他にも写真がある。

いい感じに誘導できるように、色々厳選して今後も出していこう。

まあ、こないだ公園で神山くんとAさんがキスしていたのは偶然撮れた写真だけど。

かなり私もびっくりした。

これのおかげで核心をついた。

そして大毅との写真と、知らない男との写真。

周りも言ってた。

Aさん、侮れない。

そんな人についていこうとしないでしょ、大毅も考え直すはず。

おお、神山くんとAさんの登場。

Aさんと距離を置く在校生。

そして、神山くんに何か言ってきた道を戻るAさん。

帰るんだろうな。

あんな写真貼られて

みんなから色々言われて

まともに授業なんて受けられないでしょ。

Aさんの立ちすくむあの姿。

面白い。

もっと、陥れて

大毅から離れさせたい。

私よりも大毅と仲良くなるなんて気に入らないもの。

ハツ「え…？」

大毅が、Aさんの手を取る。

なんで？

Aさん、帰ろうとしてたじゃない。

大毅がなんて言ってるのか聞こえない。

Aさんが振り解いて、そのまま校門を出た。

重岡『待ってるからな！

俺は一生Aのこと信じてるからな！』

大声でそう叫ぶ大毅。

大毅は下駄箱の方へ走って消えた。

　

　

…なんなの、Aさん。

いとも簡単に大毅の心を掴んで。

信じてるって何？

私がイメージしていたストーリーと違う。

4枚の写真を見ることで、クラスメートからの助言もあって

大毅はAさんと距離を置くと思ったのに。

ハツ「どうして、Aさんの肩を持つのよ。」

持ったら、大毅だって今までとは違った目でクラスメートに見られるのに。

　

小瀧「こんなところで、何してるん。」

私が焦った表情のまま右を振り向くと、

のんちゃんが立っていた。