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*小瀧 ページ42

小瀧side









夜。





テントは3つ張っている。







ハツは、お母さんとお父さんと


この歳になって川の字で寝ている。







残りの2つのテントで決めることになった時



ハツが俺とシゲに目配せをする。








…しょうがない。







小瀧「シゲ、俺とこっちな。」





重岡「えぇ、お前とかよ〜。」




そう言いながら、結局俺はシゲと同じテント。





残りは付き合いたてホヤホヤの2人に。







寝る時間になって



シゲは脇役という大役を終えて満足したのか




いびきかきながら寝ている。









…これじゃあ、寝られねぇよ。








そう思って、テントから出ると









同じくテントから出たAさんの、森の方へと歩いていく姿が見えた。








腕時計を確認すると、午前3時。









…こんな真夜中に。






俺は、Aさんに追いついて、手首を掴んだ。








「…!」






小瀧「危ないやろ。何してん。」







そう言うと、Aさんは少し言いにくそうに話す。









「…日の出」




小瀧「え?」




「日の出見たくて。








この山登りたいなって。」









何言うてん。







小瀧「1人じゃ危ないやろ。





神ちゃんは?」







「トモくん、寝てるし。




起こしちゃ悪いから。」









あぁ、もう。




しゃあないな。









小瀧「俺が付き添ったるわ。」






「別にいいよ。1人で行けるし。」







小瀧「ほっとかれへんやろ。」








そう言うと、Aさんは少し驚く。









「…ありがとう。」






小瀧「サンダルやと危ないから



運動靴に履き替えや。」




「うん。」









Aさんはテントに戻っていった。









 








俺が、1番最低な奴。






Aさんと神ちゃんのことは


遠くから眺めて、干渉しないで見守っていくつもりやったのに。









 









噂を知ってしまった途端、勝手に1人で、Aさんのことを非難した。





結局、Aさんのことを傷つけている。



野次馬より最低なことをしている自分に腹が立つ。









ハツに余計なことをするなって言っておきながら






俺、最低やな、ホンマ。









ああ、つら。









「…お待たせ。」




小瀧「…そこまで登らへんから。




多分 15分くらいで頂上着くで。」







「おにぎり持ってきたから大丈夫、」







何がやねん。

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作者名:きい | 作成日時:2021年4月28日 16時

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