＊神山 ページ29
神山side
キャンプ当日。
ハツ母「じゃあ、私たちは食材を買ってくるから、ここでしばらくテント張ったり
準備をお願いしてもいいかしら？」
神山「はい、今日はホンマにありがとうございます。」
ハツ父「全然。むしろハツと遊んでくれてありがとう。」
ハツの両親は俺たちを置いて、車で買い出しに行った。
重岡「うおおおおお、湖や！！！！！
A！！ちょっと行ってみようぜ！」
「え？ちょっと。」
ハツ「私も行く！
Aちゃん、一緒に行こ？」
いつの間に、名前で呼ぶようになったんやろう。
ハツがAの手を引いてシゲと一緒に湖の方へ向かってしまった。
準備しろって言われたばっかりやのに。
仕方がないからのんちゃんと２人でテントを張る。
最近、Aが落ち着いてきた…気がする。
学校から帰ると、ハツがうるさいだの
ハツがずっと隣にいるだの
なにやら文句を言うてるけど
Aを学校に行かせるようにしたのは
俺でもなく、シゲでもなく
実は、ハツやった。
あの公園でなにを言われたのか、Aは大した話やないって喋ってくれへんけど
Aが学校に毎日行くようになったことが、俺はホンマに嬉しい。
小瀧「よかったな。
Aさん、このまま不登校やったら卒業できひんかったで。」
神山「ホンマやな。」
中学の時と違って、高校は義務教育とちゃうから
留年やって普通にありえる。
小瀧「…Aさんと付き合ってんの？」
ふと、のんちゃんがそんなことを聞く。
神山「…付き合ってへんよ。」
のんちゃんやシゲから聞かれるたびに、心が痛む。
これが真実となればええのにって、何度神様に頼んだことか。
結局、Aの返答が気になりすぎて
Aに気を使いすぎている。
小瀧「青春を、台無しにしてんで。」
のんちゃんは、こっちに目を合わせようとしない。
神山「のんちゃんやって、ハツちゃんと別れたやん。」
小瀧「あれは青春の３ページ目くらいには必要な思い出やで。」
のんちゃんからしたらそうかもしれへんけど。
俺が思うにのんちゃんは誤解をしていると思う。
神山「こないだ、ハツちゃん言ってたで。
のんちゃんがおらんかったら
自分は崩れるって。」
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作者名：きい
| 作成日時：2021年4月28日 16時
