[2]人間不信の安全地帯 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:37 hit、合計:99,322 hit

＊小瀧ページ22

藤井「Aは不登校になった。

神ちゃんは、Aに授業ノートをコピーするために毎日出席した。」

小瀧「神ちゃんは、標的にならへんかったん…？」

藤井「なるやろ。

かなりいじめられたで。

靴とか体操服を隠されたり

教科書に落書きされたり

黒板消しで顔を白にされたりな。」

　

　

…まじか。

２人だけの胸にしまっている秘密を、俺は知ってしまった。

俺１人では、抱えきれへん。

でも、誰に言っても絶対にこの話は広まるし

２人がもっと、最悪な道をたどることになる。

藤井「２人、東京に来ているってことは

きっと、駆け落ちしたんやな。

そんで、濱田さんが東京に追いかけて来たってことか。

Aを取り戻しに。」

　

　

流星の推測は当たってると思う。

どう考えても、そうしか思えへん。

それやったら、濱田さんが神ちゃんのことも探している理由もわかる。

小瀧「神ちゃんと、Aさん、付き合ってるんか…。

みんなに付き合ってること隠したい理由も、まあ今聞いたら何と無く分かるわ。」

藤井「そうやなぁ。

まあ、２人が離れることはないと思うで。

だって、赤ちゃんできて、中絶するまで

２人で乗り越えてるんやもんな。」

小瀧「濱田さんが気の毒になってきたわ」

濱田さん、完全なる被害者やん。

自分の彼女が浮気していて

しかもその浮気相手との間で赤ちゃんができたやなんて。

藤井「それがそうでもないねん。」

小瀧「なんで？」