烏野2年の孤爪さん その5

カラスが191羽 ページ28

夢主side







と、こんな具合に秀くんと約束をしたのだが...







ひ、人様よりも遅く来てしまった...！！！


もう少し余裕を持ってくるべきだった...







私は申し訳なさでいっぱいになり俯いた






『ご、ごめんねほんとに...もうちょっと...早く来ればよかった...』

矢「い、いやいや全然！待ち合わせの時間よりも早いから！それに俺が早く来ちゃっただけだし...！！」







慌てたようにそう言う秀くん







『で、でも、秀くんは早く来たわけだし...私も早く来れば、秀くんは待つことがないわけで...』

矢「それだとAさんが待っちゃうじゃん！女の子待たせるなんて俺は無理だから！」

『そ、それだったら私も...その、おともだち待たせるの無理...！』


貴.矢「『だから、この件は私(俺)が悪い！！』」







2人同時にそう言い放った







一瞬の間を置いて、私たちはクスッと笑った







矢「同じこと考えてたね」

『うん、前にもあったね。連絡先交換したとき』


矢「まあこれくらいにして、そろそろ行こっか」

『い、いえっさー！』









私は"行こう"と催促した秀くんのあとをついて行った









NOside




矢「(ふおぉぉぉぉぉぉぉおお...！！ヤバいヤバいヤバい！！Aさんの私服可愛すぎっ！！)そろそろ行こっか」

『い、いえっさー！』









表面上、平静さを保っているように見えていた矢巾氏、しかし彼の心の中は荒れに荒れまくっていた




そう、何せ片想いをしている女の子の私服姿を見れたのだから









『水族館楽しみ...私、行ったことないから』

矢「そうなんだ！じゃあ俺が案内するね」









矢巾はいま一度、Aの服装をよく見る








矢「(前に会った時はお下げだったけど、今日は緩い1本の三つ編みを肩にかけてる...雰囲気が違う感じする)」

矢「(パステルグリーンのふわっとした長めのジャンパースカートに、袖が広がっててリボンの編み目がついた白のトップス...そんなの、そんなの)」


矢「(可愛いに決まってんじゃん...！！！)」









ニコニコと穏やかな表情でAと話しているが、内心バックバクの矢巾氏








『うん、期待してる』

矢「...///？！ま、まかせて！！」









白のショルダーバックをきゅっと握り、ほんの少し口元を緩めるA



心臓を撃ち抜かれたのは言うまでもない










ファイトだ矢巾きゅん、孤爪ちゃんの悩殺ポイントはまだまだあるぞ！！！

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