そういうこと ページ15
「…三ツ谷くんと何かあった？」
尋ねると途端に万次郎が不機嫌になる。
「何かあった？じゃねーよ。オマエ、オレの知らないところで三ツ谷と仲良いだろ。…少しは距離感考えろよな」
「距離感？」
特別仲良くしているつもりがない私は首を傾げる。
「オマエ、オレの電話は中々出ねぇのに三ツ谷のには出るし、簡単に抱き締められるし…」
“抱き締められる”と言われて直ぐには分からなかった。
けれど少し考えて、まだユメカと仲良くなる前に彼女に詰め寄られていた時の事を思い出す。
「いや、あれは仕方ないって言うか…………」
あれ？
よくよく考えると、私って割と万次郎に抱き締められてるような？
「そう言う万次郎だって、私のこと良く抱き締めてくるよね」
集会が終わったとは言え、みんなそれぞれ話し込んでいるからまだ人が沢山いるのだ。
「ねぇ、そろそろ放してくれる？」と続けるとハッとしたように彼が私を見た。
それから「そうか、そう言うことか」なんて、一人で納得し始める。
「え？なに？というか、聞いてる？」
彼を覗き込んで、それからぐいっと押して離れようとするけれど、万次郎は全くその気がないらしい。
視線を下げた私が諦めて力を緩めると「A」と呼ばれる。
視線を合わせる様に顔を上げれば、それと同時に温かくて柔らかい感触が唇に吸い付いてきた。
チュッとリップ音を立てて離れたそれに、頬が熱をもつ。
「なっ、なっ！」
あまりに突然で言葉が出てこない私に「やっぱりな」なんて言う彼。
「オマエ、無防備すぎ」
「は、はいぃぃぃ！？」
「そう言うところも可愛いけど、ちょっとは警戒心持てよな。そんなだから、簡単に抱き締められたりキスされたりすんだよ」
え？
わ、私が悪いの！？
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる目の前の人物に、何だかゾクッとする。
「オレのって印、増やしとこっか」
語尾にハートが付きそうな勢いでそう言った彼の視線の先は勿論…………
「も、もう結構です！！」
身の危険を察知してグーッと彼の胸を押す。
「マイキー、こんなとこでイチャついてんじゃねーよ」
聞こえてきた声に後ろを振り向くとドラケンくんの姿がある。
「ドラケンくん！」
救世主の登場に私は目を輝かせる。
けれど、次に聞こえてきた言葉は私の期待を裏切った。
「そういうことは帰ってからにしろ」
「へ…？」
「だってさ！帰ろっか！」
そう言って、万次郎は機嫌良く私を連れて歩きだした。
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香恋 - 月見さんの作品は義勇さんの作品から描写が上手いなぁとか、キャラが本物で自然と聞こえてくるので安心して読めます！流石です(^^)丁寧な描写とゆっくり流れていくストーリーも好きです！マイキー大好きなのでいつかまた書いて下さい♡首を長くして待ってます！ (2022年7月4日 9時) (
レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 香恋さん» 初めまして。一気読みありがとうございます！！鬼滅の作品も知って下さっていて、とても嬉しいです(≧▽≦)またマイキーをメインにして書きたいとは思っています。楽しんで読んで貰えるように頑張りますので、その時はぜひ読んでやって下さいm(_ _)m (2022年7月3日 22時) (レス) @page8 id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - 初めまして！最近東リベにハマり、マイキーにハマってそういえば鬼滅を書いてた作者の方の作品あったなと思い出し時間も忘れて一気読みしました！とても幸せな気持ちになりました。またこんな作品待ってます♡キャラが本物で声が聞こえてくる様でした！凄いです！ (2022年7月2日 9時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - 沙耶さん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます！基本的に作者がハッピーエンド好きなのでハッピーにました！！楽しんで頂けて嬉しいです(*^_^*)いつになるか分かりませんが、お話しのネタはあるのでマイキーでお話しを作ったときはよければ読んでやって下さいm(_ _)m (2022年6月21日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - 東京リベンジャーズでマイキー絡み物は、結構闇深かったり、殺されるバッドエンドが多いのですが、ハッピーエンド作品で完結しているものは中々少ないので、このお話はとても読んでいて楽しかったです(´˘`＊)またそんな作品待ってます♡ (2022年6月16日 0時) (レス) id: 5943b8e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年10月3日 12時
