有名 ページ9
黒髪で鋭い目付きの男の子が歩道の側にバイクを付けると、こちらを見た。
「ココ……」と八戒くんが呟く。
知り合いなのかな？と思っていると、ココと呼ばれた彼の後ろからもう一人、バイクでやってくる。
そして、彼の後ろに停まった。
その人は顔の左側に火傷の後があった。
けれど綺麗な顔立ちと派手な金髪で、思わずジッと見てしまい、ギロッと睨まれる。
それに気付いてなのかは分からないけれど、柚葉ちゃんが私を隠すように前に出た。
「東卍のヤツなんかと何してんだ？」
「オマエらに関係ねぇだろ」
八戒くんが珍しく低い声で黒髪の彼を睨み付けている。
知り合いみたいだけど、仲悪いのかな？
チラリと覗き込むと、その彼と目が合う。
「何だ？ソイツ」
「アンタには関係ない」
柚葉ちゃんまでもが威嚇するように低い声で話している。
「オマエら、なんで
三ツ谷くんが尋ねると目の前の人物がハッと笑う。
「ただ、通りかかっただけだろ」
「まさか兄貴も一緒なのか？」
「いや、オレたちだけだ」
火傷の痕がある彼が言えば、張り詰めていた空気が少しだけ軽くなる。
「そんな睨まなくても、余所のシマで暴れたりしねぇよ。………で？もう一度聞くけど、ソイツ誰？若の知り合い？」
再び私に目が向けられる。
“若”とはどうやら八戒くんのことらしい。
変な渾名だな…と思いながら、絡み付くような視線にまるで蛇に睨まれた蛙のように私は動けないでいた。
「答える必要ないよ」
私に向けた柚葉ちゃんのそんな声がする。
「………オマエのその制服、佐野万次郎と同じ学校だな？」
「え…？」
その声に顔を向けると、火傷の痕がある彼が私を観察しながら言う。
「…何で、………分かったの？」
「最近、愛美愛主が騒いでる。東卍が匿ってる地味で生意気な女。…オマエのことなんじゃねぇか？」
「っ！？」
「…そうか！オマエ、柏木Aだろ？」
ココと呼ばれていた彼がニヤリと笑いながらそう言った。
瞬間、ぞわっと背筋が震える。
「その
何で………？
彼らとは初めて会ったのに、それなのに何故か彼らは私の存在を知っている。
「何で、……知ってるの…………？」
「あ？知らねぇの？オマエ最近、オレらの間じゃちょっとした有名人だぞ？」
「愛美愛主が探し回ってる女が目の前にいるとはな」
目の前の二人が目を細めて私を見ていた。
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます！面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください！！更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい！ (2021年9月29日 12時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します！！いつも、更新楽しみにしてますー！めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください！！ (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年9月11日 16時
