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どうしたら ページ43

「Aおはよー」


休み明けの月曜日。
マイキーくんたちは相変わらず遅刻でやってきた。

私は自分の席に座ったまま挨拶を交わす。


「マイキーくんおはよう」

「…だから、万次郎だろ」

ムッと不機嫌になる目の前の彼。


「ご、ごめん。でも、マイキーくんで慣れちゃったし、今更…ね?」


それに名前呼びなんて、恥ずかしいし…


そう思っていると、自分の席に座ることなく私の席の直ぐ隣に立つ彼。


「な、なに?」

ジッと見下ろしてくる姿に堪えられなくて尋ねると、体を屈めてズイッと顔を近付けてくる。


「なぁ、どうしたらAはオレのこと万次郎って呼んでくれんの?」

「え…」


どうしたら、と言われても………


「あの、…マイキーくん?私の話し聞いてた?」


慣れちゃったし、今更って言ったよね?


「うん。だから、聞いてんの」

「………。」


え、何これ?
私が何か言うまでずっとこのままな感じ!?


近い距離のまま見つめられる視線に堪えきれなくて視線を逸らす。

と、何やら周りの視線が凄いことに気が付いた。


私たちの近くにいるクラスメイトたちが、こちらの様子を窺っていた。

それに気が付いて、みるみる顔が熱くなっていく。

後ろの席の子まてもが頬を赤くしている。


いや、恥ずかしいのは私の方だから!


「付き合ってる自覚、足りない?」

少しだけ首を傾げて聞いてくる。


「いや、そもそもまだ付き合ってないよね?」


質問を質問で返すと「へぇ〜」なんて楽しそうな声がする。


「Aにとってオレらは今は付き合ってないけど、いつかは付き合うつもりでいたんだ?」


「へ…」


その言葉に頭の中が一瞬で真っ白になる。


“まだ付き合ってない”


確かに私はそう言った。


「いや!…それは言葉の綾で………っ!?」

あたふたと弁明しようとすると、彼の人差し指がスッと私の唇に置かれる。


「…万次郎って呼べよ」

「〜っ!!?」


「ほら」と言う声と共に人差し指が離れていく。

それでも、彼は私の前に立ったまま。
顔の近さも依然として変わらない。


ただ有無を言わせない視線が私を捉えていた。


ず、ずるい…!


そうは思ったけれど、思考を奪われた今の私は「嫌だ」とは言えなかった。


「っ、ま……」

「ま?」


「…まん、…じろぅ………」


恥ずかしさのあまり最後の方は語尾が小さくなった。


それでも彼は「やっぱそっちのがいい」と満足そうに笑って私の頭を撫でた。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 佐野万次郎 , マイキー   
作品ジャンル:アニメ
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時

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