意外と ページ42
「お待たせしました」
店員さんのそんな声と共に、4人分の料理が運ばれてくる。
私はパスタでドラケンくんはハンバーグ。
マイキーくんは意外にも弟と同じお子さまランチを頼んでいた。
無敵のマイキーと呼ばれるほどの人がお子さまランチとは、なんて可愛らしいものを………と思った。
けれど目の前の彼は、運ばれてきたお子さまランチを見るや否や、私のせいでご機嫌斜めだったのが更に不機嫌になる。
「何だよコレ!旗が立ってねぇじゃん!」
「え?」
何に怒っているのかと思いきや、そんなこと!?と目を丸くする。
「申し訳ございません」と頭を下げる店員さんを横目に「ホラ、マイキー旗だぞ」と、どこから取り出したのかドラケンくんがライスに旗を刺す。
途端に「おーっ!さすがケンチン!」と歓声を上げる。
どうやら機嫌は直ったようだ。
マイキーくん曰く、「お子さまセットについている旗にテンションが上がる」らしい。
「ねーちゃんの彼氏面白いね」
にこにこ笑う弟にドラケンくんが「オマエもいるか?」と弟のライスにも旗を刺してくれる。
「わーっ!お兄さんありがとう!!」
最初はドラケンくんを怖がっていた筈なのに、コレをきっかけに弟が打ち解け始める。
マイキーくんの意外な一面に少し驚きはしたものの、想像もつかなかった姿がやっぱり可愛らしい。
それぞれ食べ進めて、ドラケンくんとマイキーくんが先に食べ終わった。
弟が食べ終わるのを待ちつつ、デザートを頼もうかな〜とメニューを眺めていると寝息が聞こえてくる。
メニューから視線をはずして向かいを見ると、いつの間にかマイキーくんが椅子の上で横になって眠っていた。
「コイツ、腹膨れると直ぐ寝るんだよな」
ドラケンくんが独り言の様に呟く。
「マイキーくんって、外でもこうなんだね。学校でだけなのかと思ってた」
いつもの給食の時間と似たような光景に思わず笑みが溢れる。
東京卍會の総長としてみんなの前に立ったり、私を助けてくれた彼は喧嘩が強くて、カッコよくて。
学校ではよく眠っていて。
時々、怖いときや何を考えているのか分からないこともあるけれど………
「マイキーくんって、意外と可愛いところあるよね」
私がふふっと笑うと、一瞬驚いたような顔をするドラケンくん。
けれど、直ぐに「そーだな」と頷くと彼もフッと笑った。
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時