検索窓
今日:24 hit、昨日:5 hit、合計:104,598 hit

抜けてる ページ41

とある休日。

休みの日だと言うのに、父も母も珍しく仕事が入っていていたので、朝から家にいるのは私と弟の二人だけだった。


母にそうしていいと言われていたので、お昼に弟を連れてファミレスへ向かう。


店の前まで来たとき、見慣れた二つの顔に出くわした。



「は………?A?」


驚いた顔で私を呼んだのは、マイキーくんだった。

そして、その隣にはドラケンくんの姿がある。


「あっ!ねーちゃんの彼氏!!」と叫ぶ弟にマイキーくんが手を振りながらこちらに向かってくる。


「オマエ、こんなトコで何してんだよ」

「何って、お昼を食べようと思って…」

「単独行動禁止つったろ」

「うん。だから弟と一緒だよ?」


マイキーくんの質問に答えると、目の前の二人が顔を見合わせた。


「オマエ、愛美愛主の奴とバッタリ出くわしたとして、そんなちっせぇ弟にオマエが守れんのか?」

「え…」

ドラケンくんの言葉に固まっていると、マイキーくんが続ける。


「単独行動禁止ってのは、オマエのこと守れる奴、もしくは一緒に逃げ切ってくれる奴と行動して欲しいからだったんだけど?」

言われて弟を見た。


ドラケンくんが怖いのか、弟はいつの間にか私の後ろに隠れて様子を窺っている。


弟はまだ小さい。

寧ろ私が弟を守らないといけないだろう。


そう考えると、私と弟では愛美愛主と出くわしても勝てる気がしない上に、逃げ切れる気もしなかった。


*****


「ホント、Aってたまに抜けてるよな」

テーブルを挟んだ向かい側に座るマイキーくんが、ため息混じりにそんなことを言う。


私たちと同じく、二人もファミレスでご飯を食べようとしていたそうで、相席することになった。

私の隣には弟がいて、弟の向かい側にはドラケンくんが座っている。


「………なんか、ごめんなさい…」

何だか悪い気がして謝ると、ボソッと拗ねた声が聞こえてくる。


「大体、なんでオレに連絡しねぇんだよ」

「いや、そんなことでマイキーくんに連絡なんて、申し訳なくて出来ないよ!」

慌てて告げると、これまた不機嫌な声で「マイキーくんじゃなくて万次郎…」と言われる。


君はどうしても私に名前で呼ばせたいのね………


と、思わず苦笑いになる。


「あと、オレはオマエの彼氏だから遠慮とかいらねーの」


むぅっと頬を膨らましたマイキーくん。

何だか今日はご機嫌斜めのようだ。

意外と→←これが恋?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
263人がお気に入り
設定タグ:東京リベンジャーズ , 佐野万次郎 , マイキー   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。