ざわつく理由 ページ33
特に何もないまま日は過ぎていく。
マイキーくんたちと帰れない日は他の隊の人たちが迎えに来てくれるし、パーちんくんに関してはその度にポチを連れてきてくれるから、私の楽しみだったりする。
一つ事件があったと言えば、私が“マイキーくんと付き合っている”と言う話しが、学校で噂になったことだろう。
原因は主に一目を気にせずに彼女だの、彼氏だのと声をあげるマイキーくんである。
その度に「違う!」と言い返すのにも段々疲れてきた。
「Aさ、もう本当に佐野と付き合っちゃえば?」
昼休みに花音がそんなことを言ってくる。
「はい?」
「そーそー。早いこと好きって認めてさぁ?」
「ユ、ユメカまで………」
「まだ答え見つからないの?」
花音が聞いてくる。
「………だって、分かんないものは分からないし…」
「そうは言うけど、ウチらから見たら、Aは佐野のこと十分好きだよね」
「え?」
「だって、佐野と話してるとすぐ顔赤くなるじゃん?」
ユメカの言葉に「そうそう」と頷く花音。
思わず「嘘っ!?」と呟くと「「ほんと」」なんて揃った二人の声が帰ってくる。
「佐野と話してるとドキドキするんでしょ?」
「う、うん………」
花音の言葉にぎこちなく頷くと目の前の二人が「恋だねぇ」なんてニヤリと笑う。
ポッと頬に熱が籠り始めた気がして、慌てて「もう、やめてよ〜!」と笑って誤魔化した。
その日の放課後、今日はマイキーくんたちがお休みで、三ツ谷くんが迎えに来てくれることになっていた。
こんな日は、校門の前までユメカと一緒に歩くのが習慣になっていて、二人でいつものように昇降口に向かっていた。
けれど、今日は何だかざわついている。
困惑したように何かに怯える生徒たちが、数名固まって溜まっていた。
「何かあったのかな?」
ユメカと二人顔を見合わせて、靴に履き替えて校舎を出ると、少ししてから鞄の中でマナーモードにしていた携帯が震える。
歩きながら二つ折のそれをパカッと開けると、三ツ谷くんから電話だった。
「もしもし?」
〈A!今どこだ!?〉
「え?今?…校舎を出たところだけど…?」
何処か焦ったように早口な三ツ谷くんに違和感を覚える。
〈すぐ戻れ!オレが行くまで学校の中で待ってろ!!〉
「え?ま、待って?何が──」
「いたぞ!!」
言い掛けた私の言葉は、そんな叫び声に遮られた。
顔をあげると5〜6人の男たちが私たちを囲んでいた。
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時