新しい友だち ページ32
翌朝、朝のHR前に私のクラスにやって来た花音は目をパチパチとさせて、何度も瞬きを繰り返していた。
「いや、どゆこと?」
「だーかーらーぁ、ウチらダチになったの!」
「なっ!A!」と上機嫌に私の肩を組む深山さん。
「昨日まであんなにバチバチしてたのに?」
「あ?そんな昔のことは忘れたー」
なんて笑う彼女。
忘れるの早くない?
まだ24時間も経ってないけど?
と言う言葉はそっと胸の中にしまう。
「まぁ、そう言うことだから…」
告げると花音が顔をしかめる。
「いや、意味分かんない」
「つー訳で、今日から花音も私のダチな!」
困惑する花音の肩をポンポンと叩く深山さん。
「か、勝手に決めないでよ!?」
「何言ってんだよ。Aのダチはウチのダチなんだよ!」
少々無理矢理だけれど、彼女は本気で言ってるらしい。
「だから、ウチのこと“ユメカ”って呼んでくれよ」
少し照れくさそうに言うものだから、思わず花音と顔を見合わせる。
彼女はデマのせいで学校で孤立していたようだ。
だから中学では私たちが初めての友だち、なのかもしれない。
「仕方無いなぁ」と花音が声を出す。
「ユメカ、よろしくね」
そう呼ぶと彼女は嬉しそうに笑った。
*****
「オマエ、知らねぇ間になんかスゲーことに巻き込まれてたんだな」
帰り道、私の話しに耳を傾けていたドラケンくんがそう溢す。
私が昨日の今日で深山さん…もとい、ユメカと仲良くなったものだから、マイキーくんが聞いてきたのだ。
事情を知らないドラケンくんやエマちゃんにも分かるように、彼女と関わるきっかけになった経緯から話した。
「でもウチの学校に愛美愛主と関わりがある人がいたとはねぇ〜。…マイキーは知ってたの?」
「んー?アイツのことは兄貴が助けてたし。それにアイツ、しつこかったし」
ケロッとした顔のマイキーくんを見て、「全く…」と呆れ顔のエマちゃんが今度は私を見る。
「で?その子、本当に大丈夫?Aのこと、お兄さんを通してチクったりしない?」
「たぶん大丈夫だと思う。それに彼女、逆に私に愛美愛主のことを教えてくれたぐらいだし」
言えばその場の全員が私を見た。
「え?…な、なに?」
その後、3人から聞いたことを全部話すように問い詰められたのは言うまでもない。
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時