急展開 ページ21
当然だけれど、五時限目の授業には二人揃って遅刻してしまった。
「このままサボってデートしよっか?」
そんなことを耳元でマイキーくんが囁いてくるものだから、全力で彼を突き放した。
「しない!第一、私はマイキーくんのものじゃないからっ!!」
「んー、じゃあキスしたらオレのって認めてくれる?」
とか訳の分からないことを言うので、対処に困った。
濃い昼休みを終えた私はヘトヘトだったれど、今日は部活がある。
昼間にあんなことがあったので、九条さんと深山さんと顔を会わせずらい。
一瞬、休んでしまおうか…と思ったけれど、そんなことをしたら九条さんが“自分のせいかも”と気にしてしまう気がして、私は参加を選んだ。
部室の襖を開けると、二人が私に気付いてパッと寄ってくる。
「柏木先輩!私、佐野先輩のことはまだ好きですけど、柏木先輩と佐野先輩のこと応援することにしました!」
驚きで「へっ?」と声を漏らすと九条さんが続ける。
「昼休みに見た佐野先輩は柏木先輩のことを“好き”っていうのが伝わってきて、敵わないって分かったんです」
視線を伏せてそう告げる彼女は穏やかに、けれどどこか苦しそうな表情をしていた。
「ウチも佐野のことは諦める。タイマンに負けちまったし、約束だからな」
「待って?二人とも。昼休みにも言ったけど、私は自分の気持ち分かってないんだよ?」
急に敗北宣言をされて、そう尋ねると二人が顔を見合わせて笑いだした。
「あんなに赤い顔しておいて、よく言うよな」
「先輩、早く素直になってください。私はまだ完全に諦めた訳じゃないですよ?」
「えっと…」
何だこれ。………どうなってるの?
私は恋敵(?)に応援されているのか?
二人に会えば気まずい空気になるかと思っていたのに、どちらかと言うと和やかな雰囲気に拍子抜けしてしまう。
と言うか、何だか二人とも仲良くなってない?
一週間前は深山さん相手に九条さんがビクビクしていたかと思えば、今日のお昼は言い争っていたし、なんならマイキーくんを巡ってトラブルになっていたのに………
どういう展開?
「二人とも仲良くなったの?」
聞くと深山さんがニッと笑う。
「昨日の敵は今日の友って言うじゃん?」
それ、逆もあるよね?
というか、深山さん意外とことわざ知ってるね。
そんな風に感心していると彼女が続ける。
「つー訳で、アタシら3人今日からダチね!」
そう言って、私と九条さんと肩を組んだ。
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月見(プロフ) - まろまゆさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえていて、とても嬉しいです。ぜひ、キュンキュンして騒いじゃってください!!更新頑張りますので、宜しければ完結までお付き合い下さい! (2021年9月29日 12時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
まろまゆ(プロフ) - 初コメ失礼します!!いつも、更新楽しみにしてますー!めっちゃ面白い上に、マイキーが所々キュンキュンすることしてきて、見てるこっちも騒ぎソウデス…w これからも頑張ってください!! (2021年9月29日 11時) (レス) @page38 id: 65d35f23ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月11日 16時