話してないこと ページ34
翌朝、学校に着いて暫くすると花音が教室にやって来た。
「A」
「あ！花音おはよう」
「おはよう」
低い声にどこか怒ったような、そんな硬い表情の花音。
何だかいつもと違う。
「どうしたの？」
尋ねると「『どうしたの？』じゃないわよ！」と急に声が大きくなる。
「え？…ちょっと、え？」
戸惑っていると目の前で彼女が腕を組む。
「A、私に話してないことあるでしょ」
「え？」
“話していないこと”と言われて、愛美愛主のことを黙っている私はギクッと肩を揺らす。
「昨日の放課後、本当にびっくりしたんだからね！」
「き、昨日の放課後？」
と言うことは…
「あ、………もしかして、私がマイキーくんと自転車2人乗りしてたこと？顔隠してたつもりだけど分かっちゃった？」
顔色を伺いながら確認すると、何の話？と言わんばかりに「は？」と彼女の顔が歪む。
「違うの？」
じゃあ何のことだろう？と思っていると彼女の顔が益々驚きに染まる。
「今朝の噂、やっぱりAだったの！？」
「え？噂！？」
花音の反応からして、昨日の2人乗りの件は噂になっているようだ。
けれど、花音は私だと知らなかったみたい。
じゃあ、なんで怒ってるの？
はぁーっと彼女が深いため息を付く。
「A、最近色々とヤバくない？本当に大丈夫？？」
「どうだろう……分かんない。とりあえず、花音は何のことを怒ってるのか教えて？」
言えば、二度目のため息を付きながらも話してくれる。
「昨日の放課後、部活の前に龍宮寺くんが私を尋ねて来たの」
「ドラケンくんが？」
ってことは、昨日ドラケンくんがいなかった理由はコレの為だったの？
「そう。Aのことで話したいことがあるって言うから、場所を変えて話した。……その時にAが高校生の暴走族グループに目を付けられてる話し、聞いたの」
「…。」
やっぱりそっちの話だったか。
そうは思うけれど、私を見る花音はとても心配そうに眉をハの字寄せている。
「…全部、聞いた。………何で昨日言ってくれなかったの？」
「………ごめん。…花音にまで迷惑掛かるかもって思ったら、言えなかった」
「Aは本当にバカ。親友なんだから、少しは頼りなさい！」
花音にぎゅっと手を握られる。
「学校では私がAの傍にいるから！」
真っ直ぐで、今にも泣きそうな目。
私は持つべきは友だちだと再認識した。
「ありがとう」
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ys 0418052(プロフ) - 月見さん» いや初めてと思えないぐらいすごいですよ！！ (2022年12月29日 22時) (
レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ys 0418052さん» 読んでいただきありがとうございます！初めて書いた東リベ作品で、そう言ってもらえてとても嬉しいです(*^^*) (2022年12月29日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ys 0418052(プロフ) - マイキーおしがとても好きになりそうだしわたしもとても好きです！！ (2022年12月29日 19時) (レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年8月20日 10時
