寝起きの彼 ページ2
「マイキー、給食だぞー」
四時限目終了直後。
隣の席に大きな影が出来る。
龍の刺青に金の辮髪。
中学生とは思えないほど高身長で恵まれた体つきの龍宮寺くんが、佐野くんを起こしにやって来た。
この二人はいつも一緒だ。
大抵、一時限目か二時限目が終わった頃、龍宮寺くんが眠ったままの佐野くんを背負ってやってくる。
二人は朝のHRから居た試しはなく、ほぼ毎日遅刻してやってくる。
私はあまりよく知らないけれど、どこかの不良グループに所属しているらしい。
どうせ学校に来るなら、ちゃんと一時限目に間に合うように来ればいいのに。なんて考えていると低い声が私を呼んだ。
「あー確か、柏木Aだよな？」
「へ？」
声の方へ振り向けば、龍宮寺くんがこちらを見下ろしている。
まさか、私に話しかけてくるなんて一ミリも思っていなくて。
間抜けな声を出した挙げ句、ぽかんと口を開けながら私は彼を見た。
「さっき、マイキー起こしてもらって悪かったな」
「え…、あ、いや。………言われてやっただけですから、大丈夫です」
あははと曖昧に笑う。
自分で言っておいてなんだけれど、何が大丈夫何だろう。
気持ちよさそうに眠っているところを起こしてしまったので、寧ろ寿命が縮む思いだった。
だから、全然大丈夫じゃない。
「んん、………ケンチン………？」
隣からまだ眠そうな佐野くんの声がした。
「あ、起きた」
龍宮寺くんが佐野くんの顔を覗き込んで、なにやら二人の会話が続いていく。
龍宮寺くんから声をかけられるなんて、ホントにびっくりした。
学校内でも恐れられていて、何やら悪い噂の絶えない二人と今日始めて会話してしまった。
今まで同じクラスになったことはなかったし、たまに廊下ですれ違ったり、体育の合同授業で一緒になるくらいで関わりのなかった彼ら。
始業式の日は来てなくて。
その次の日に始めてこの席で彼らを近くで見たとき、何だか凄いオーラを感じたし、絡まれるとヤバそう…と冷や汗をかいたものだ。
仲が良い親友の花音とはクラスが離れてしまったので、このクラスでぼっちの私は居心地が悪くて仕方ない。
あぁ、せめて早く席替えこないかなぁ。
給食を前に私はそんなことを考えた。
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ys 0418052(プロフ) - 月見さん» いや初めてと思えないぐらいすごいですよ！！ (2022年12月29日 22時) (
レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - ys 0418052さん» 読んでいただきありがとうございます！初めて書いた東リベ作品で、そう言ってもらえてとても嬉しいです(*^^*) (2022年12月29日 22時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
ys 0418052(プロフ) - マイキーおしがとても好きになりそうだしわたしもとても好きです！！ (2022年12月29日 19時) (レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年8月20日 10時
