【名探偵コナン】消えた捜査官5【降谷零】

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ー半年後ー

夕陽が差し込む病室。
降谷は、Aの髪を優しく梳いた。

「悪い、来るのが遅くなった。
…久しぶりだな、A」

半年の月日が経とうと
この部屋は何も変わらない。







Aの命をかけたあの一件の余波は思わぬ所へ派生した。
やはり、組織の内情を知る鮫島が突然逮捕された事により、組織は奪還ではなく、半ば強引に抹殺という道を選んだ。
その作戦の筆頭は、あのジンだった。

しかし、それに備え、作戦会議を重ね策を講じた警察庁、警視庁、両日本警察の意地と連携は強固なものだった。
怪我人が出なかった訳ではない。
しかし、犠牲者は居なかった。
そして日本警察、FBI、CIAなど国を跨ぎ命を燃やす者達が結集した末、遂に暗闇で暗躍し続けた巨大な犯罪組織の壊滅という偉業を成し遂げたのである。

氷山の一角だという事は分かっている。
しかし、長年の悲願に、沢山の者がそれぞれの想いを胸に喜びを噛み締め、喜びに泣いた。

降谷にとって安室透の終わりは、再び始まる忙殺の日々の幕開けだった。
世界中に散らばる末端の残党達や、組織が関わる取引先の根絶、FBIを筆頭とする海外の機関とのやりとり、様々な事に追われ、タフな降谷も流石に目眩がした程だった。

喫茶ポアロへのフォローもままならないまま、降谷は何日もその身を警察庁に置く事となった。

そして漸く目処が見え始めた頃、降谷はまるで軟禁の様だったその状況から解放され、いの一番でAの眠る病室へと向かったのだ。





その場所は、良くも悪くも何も変わっていなかった。

降谷は、Aに触れる事を躊躇った。

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