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ー『…たまに零って変な所で自信なくすよね。』ー
「ゼロの兄ちゃんって、変な所で自信なくすよね。」
コナンの姿に、いつかのAが重なる。
「Aさんが本当に守りたかったもの…もう安室さんも気付いてるんでしょ?」
「……ああ」
降谷は、コナンの見た事のない表情を浮かべていた。
「Aさん、最後の電話で言ってたよ。」
ー『太陽があるかないかで世界は大きく違って見えたんだよ。』ー
「太陽…」
「一人で生きてきた数年間は、確かに辛いものだったと思う。
でもAさんは、きっと復讐心だけで生きてきた訳じゃないよ。」
「……」
「降谷さんを守りたい、ただその一心で生きてきたんだと思う。
それが例え、自分との別離を意味していても。
あの写真もキーホルダーもそうだけど…生きる支えだったんだと思う。
自信持ちなよ、降谷さん。
降谷さん、相当愛されてるよ。
そこだけは、疑わないであげて。」
「……」
降谷は、自身の手にすっぽりと収まる小さな手をギュッと、強く強く握りしめた。
「…諦めている暇もなさそうだ。」
突然音もなく、病室のドアが開けられた。
入ってきたのは赤井だった。
赤井が降谷へ出した要望のもう1つ、それはAの護衛にはFBIを付けるというものだった。
赤井からの要望、というのは癪だったがそれは降谷にとって願ってもない提案だった。
降谷も四六時中この病院にいる事は出来ない。
警察内部にまだ安藤や鮫島サイドの人間が残っているかもしれないこの状況で、日本警察に警護を任せるのは最も危険だった。
悔しいが、この時点ではFBIに警護をして貰うのが一番安全であり、最善の策だった。
「赤井さん、どうかしたの?」
赤井は自身を見つめるコナン、対照的に赤井には全く目もくれずAしか見ていない降谷、ガランと広い部屋を見渡してこう言った。
「奴らが近々動き出す。」
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虎鉄(プロフ) - まみこさん» まみこ様、私こそ深夜にすみません!こちらにまで涙。一気読み+コメントする時間まで割いて下さり本当に有難うございます!松田氏なりに降谷氏とは違う道を進むのでお付き合い下されば嬉しいです。大切に書いた話なのでそう言って頂けて感無量です。 (2022年7月24日 0時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 応援してます!!本当にこの作品は神です!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは!!真夜中にすみません💦一気読みしました!マジで感動しました!!あー、夢主ちゃん良かったね!!と、保護者のような気持ちで読んでましたねw松田さんのほうも読んでます、頑張ってくださいね!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(消えた捜査官松田ver作成中)(プロフ) - ひゆめさん» ひゆめ様、一気読みのお時間頂戴しまして……!かつコメントまで下さり本当に有難う御座います。クロサギ懐かしいですよね(^^)当時は全く意味分からんまま見てましたが笑。読んで下さってありがとうございました(^^)!2と合わせての返信で失礼します。 (2022年6月12日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 同じく一気読みしました!!クロサギ懐かしいと思いながら進めていたら凄く惹き込まれました。とても面白かったです。 (2022年6月12日 0時) (レス) @page50 id: 141a54d8d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月2日 0時