167 -第7章 終- ページ2
凶器は違えど、向けられた純粋な殺意に足は竦みそうだった。
怯むな。
この男にだけは、弱さを見せてはいけない。
(流石に痛い…疲れたな。)
これも、もう少しの辛抱だ。
撃たれた左肩が焼ける様に熱い。
あまりの痛みに、今すぐにでも意識を手放してしまおうかと思う程に。
けれど、左手に握るUSBの感覚だけが自らを奮い立たせる。
『賢い君なら、私の言いたい事がわかるな?
それを、こちらに寄越しなさい。』
二度と負けないと誓った。
悔いはない。
これしか道は残されていないのだから。
ここで引けば全てが無駄になる。
自分が自分でなくなってしまう。
心だけでも、最期まで警察官でありたい。
死んでも
自分の信念は曲げない。
「…信じてる。
どこに居たって、どんな絶望の淵に居たって、絶対に諦めなかった…私だけの…” ___”」
本音を言えば
ずっと一緒に居たかった。
私が、幸せにしてあげたかった。
一発の銃声が響き渡る。
それは
閉ざされた過去を切り開く”希望の音”
チェックメイトを意味する
”絶望の音”
日本中が固唾を呑んで見守る中
鮫島の放った二発目の銃弾は、真っ直ぐAの左胸を貫いた。
勝利の笑みを浮かべる鮫島の姿を
凶弾に倒れたAの姿を
カメラは全て映し続けた。
「A…?」
「A…さん…」
「……」
「…あの馬鹿野郎」
「…それが、お前の答えか。」
「A……っ‼‼」
名前を呼ばれた気がした。
後は、よろしくね。
怒らないでね。
たった一人でここまで頑張ってきたんだよ。
零、ごめんね。
れい…おやすみ。
ー第7章 終ー
1164人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虎鉄(プロフ) - まみこさん» まみこ様、私こそ深夜にすみません!こちらにまで涙。一気読み+コメントする時間まで割いて下さり本当に有難うございます!松田氏なりに降谷氏とは違う道を進むのでお付き合い下されば嬉しいです。大切に書いた話なのでそう言って頂けて感無量です。 (2022年7月24日 0時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 応援してます!!本当にこの作品は神です!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは!!真夜中にすみません💦一気読みしました!マジで感動しました!!あー、夢主ちゃん良かったね!!と、保護者のような気持ちで読んでましたねw松田さんのほうも読んでます、頑張ってくださいね!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(消えた捜査官松田ver作成中)(プロフ) - ひゆめさん» ひゆめ様、一気読みのお時間頂戴しまして……!かつコメントまで下さり本当に有難う御座います。クロサギ懐かしいですよね(^^)当時は全く意味分からんまま見てましたが笑。読んで下さってありがとうございました(^^)!2と合わせての返信で失礼します。 (2022年6月12日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 同じく一気読みしました!!クロサギ懐かしいと思いながら進めていたら凄く惹き込まれました。とても面白かったです。 (2022年6月12日 0時) (レス) @page50 id: 141a54d8d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月2日 0時