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163 -第7章- Checkmate ページ48

ーある男の独白ー

どこかで見た顔だと思った。
その面影だけを頼りに、遠い遠い記憶を思い起こす。

あれは訪れた日本の病院でのことだった。

『君…迷子かい?』

『…迷子じゃない。』

『そうか。君はどうしてここに?』

『母さんの付き添い…』

『そのお母さんは?』

『…居なくなった。』

『そうか、心配だね。
君は、小さな騎士(ナイト)だったか。
実はね…』

『……』

『実は、おじさんの方が迷子なんだ。
ロビーに戻りたいんだけど、1人じゃ心細いから一緒に付いてきてくれないかな?』

『…仕方ないから、付いてってやる。』

『ありがとう。おじさんの勘だとロビーはこっちな気がするなぁ。』



『お父さーん‼‼』

病院着を着て遠くから走ってきたのが、彼女だった。

『お、あれな僕の娘なんだ。
Aっていってね。』

『あの子病気なの?』

『病気ではないんだ。病気ではないんだけどね…』

彼女が2人の元へ辿り着く。
病院着が不釣合いな程に、少女は明るく元気に声をあげる。

『お父さん‼この人だーれ?』

『お父さんをここまで連れてきてくれた小さな騎士(ナイト)だよ。
ほら、A、自己紹介を。』

『お父さんを連れてきてくれてありがとう!
綾瀬Aです!あなたは?』

『俺は…』

『秀一‼探したぞ‼』

『あ…』

振り向けば、鬼のような形相をした母がいた。

『気にしなくて良い、お母さんの所に戻りなさい。』

『バイバーイ!』

『あ、ありが』

『秀一!』

俺の言葉は、母の一喝に掻き消され、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。
振り返った時に見えた彼女の父は左手でAと名乗った少女と手を繋ぎ、穏やかな笑みを浮かべ自分に向かって右手を額に翳していた。
今ならわかる、あれは敬礼だった。
当時の俺は、小さく頭を下げるのがやっとだった。

何十年も前の出来事だ。
彼女が覚えていないのも無理はない。








恐ろしい女だ

彼女が守りたかったのは国なんかじゃない

降谷零 ただ一人だ

彼女は

降谷君との未来を捨ててまで

降谷君の未来を守りたかったんだろう

164→←第6章 補足&裏設定



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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虎鉄(DC一時お休み中)(プロフ) - スカイさん» スカイ様、返信遅れて申し訳ありません!コメント下さり有り難う御座います(^^)スカイ様の涙腺を刺激出来たなら本望です笑。御礼を言うのはこちらの方です。短くはないこの作品を読んで下さり、そして感想まで下さり本当にありがとうございました!!感謝です。 (2020年6月20日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - すごく感動しました。涙が溢れてきて胸がキューとなってこんな素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます (2020年6月13日 2時) (レス) id: 8bcf366f5d (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - しろさん» なんと嬉しいお言葉でしょうか。自己満足の小説に、その様なコメント頂けて嬉しいと感謝の他に言葉が見つかりません。落胆されぬ様にこれからも執筆させて頂きます!これからもよろしくお願いします。ありがとうございます! (2018年5月30日 20時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 初めての感覚です。何か映画や連ドラを見てる気分でした。心の底から応援してます!!こんなに引き込まれるのは初めてです!!!! (2018年5月30日 18時) (レス) id: fe2831d1b4 (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(プロフ) - KAZUKIさん» コメントありがとうございます!身に余るお言葉…そう言って頂けて本当に嬉しいです。10枚以上書き連ねたプロットが報われる様な気がします。話が重く複雑なので悩む事もありましたが、書いてきて良かったです。もうすぐ佳境です、引き続きよろしくお願い致します★ (2018年5月30日 0時) (レス) id: e9fa573a9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年5月20日 15時

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