91話【共犯】 ページ42
.
『張り込みなんて推理小説で出てくるポンコツ役人がパンと牛乳を咥える所しか見たことないけど必要かな』
「うん、いらない」
空たちは行秋の真相を明らかにするために烏有亭へと赴いた。
心配する麗にアルベドは優しく、しかしはっきりと否定する。
「その娯楽小説は一体誰が書いたんだ…？」
『結構面白いよ、"名探偵小鹿"八重堂が出版してるから買ってみるといいよ』
『宿に置いてるから持ってこようか？』と聞くとパイモンが「オイラ、"神櫻転生録"が読みたいぞ！」と意地悪そうに言う。
「なーんて、冗談…」
『いいよ！神櫻転生録ね、すぐ取ってくるから』
「え、あっ麗ー！冗談だぞー！？……行っちゃった」
「パイモン」
「うぅ…だって気になったんだぞ…」
「麗が戻ってくる前に行秋と話が終わるといいけど」
一方その頃、麗はパイモンに頼まれた神櫻転生録を宿から持ち出し、烏有亭に戻ろうとしていた。
無論、早く着くようにワープポイントを使っている。
ルンルン気分で烏有亭に戻ろうとするとふと見覚えのある緑のマント姿が見える。
『ウェンティさん！』
「麗、奇遇だね。どこに行くの？」
『烏有亭！ちょっと用事があって』
「ほんとう？僕もちょうど烏有亭に行くところだったんだ。一緒に行く？」
ウェンティの誘いに麗は快く快諾し二人で花見坂の近くを歩いていると周りに天領奉行の同心が集まっていることに気づく。
「何かあったのかな」
『さぁ………あ、娑羅ちゃんだ。おーい！娑羅ちゃーん！』
麗は九条娑羅の姿を見つけると彼女に向かって声を掛け腕を振る。
娑羅はそれに気づき、ぎこちなく手を振ると麗とウェンティは彼女の方に歩み寄る。
「久しぶりだな、麗。どうかしたか？」
『それはこっちのセリフだよ。何かあったの？』
「窃盗犯が見つかった」
『窃盗犯？』
麗が首を傾げているとウェンティが横から「沈秋拾剣録が盗まれたことじゃないかな」と囁く。
『え？あれって作者の枕玉……行秋くんが盗んだ可能性があるってアルベドくんが言ってたけど…』
「作者も関わっているが……麗。お前も共犯の可能性があるぞ」
『え』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空華(プロフ) - Mirukuさん» リクエストありがとうございます！甘雨ちゃん達仙人組は璃月編の方で書かせていただきます。容彩祭の後なので少しリクエストお応えできるまで時間がかかりますが気長にお待ちください！こちらもいつも作品を読んでくださりありがとうございます！ (2022年9月29日 6時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
Miruku(プロフ) - いつも素敵な作品ありがとうございます！リクエストで甘雨ちゃん含む仙人たちと鍾離先生の絡みをぜひ見てみたいです！これからも楽しく見せていただきます！ (2022年9月28日 21時) (レス) @page32 id: 6887e117d0 (このIDを非表示/違反報告)
空華(プロフ) - 白鷹。さん» リクエストありがとうございます！綾人承知しました！いつも読んでくれてありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月28日 17時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
白鷹。(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！リクエストなのですが綾人と絡ませてほしいです（お茶するとか雑談とか）更新応援しております‼︎ (2022年9月28日 7時) (レス) id: aa069cf9f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空華 | 作成日時：2022年8月24日 18時
