54話【失態】 ページ5
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「雷電？」
『！ごめん！今の忘れて！』
「麗！？」
平蔵に聞き返された麗はハッとし急に立ち上がり走り去った。
置き去りにされた平蔵はポカンとしながらも「雷電、ねぇ」と意味深に呟いた。
一方、麗は走っていた。
『(どうしよう、口が滑った。言ってしまった)』
よりにもよって頭の切れる彼に本名を言ってしまったことを麗は深く後悔した。
自分の流されやすいところは自重しなければとも思う。
確かに鹿野院家には昔薬箱を渡した覚えはあるがまさか現代まで残っているとは麗も思ってもいなかったようだ。
七天神像の前まで走りきると麗はそこに座り深く息を吐く。
『やってしまった………』
きっと平蔵くんは自分の正体に気付いている、いや勘づいてると麗は冷静に考える。
しかし仮の名前でなく本名を言ってしまった結果彼は今どう思っているだろうか。
混乱した？冗談だと思った？
『(それならどれだけいいか)』
麗は神像の方へと顔を上げながらふと平蔵の言葉を思い出す。
『(………誰にも言わない、か)』
確かに平蔵は口が固い。
口外しない、と言ったことはきちんと行動に成す少年だと麗は知っていた。
信頼できるが彼に嫌われてしまうのではないかと不安に駆られる。
『(そんなことない。平蔵くんはそんなことで人を嫌ったりしない)』
必死に自分に言い聞かせながら神像に額を付けていると「おーい！麗ー！」とパイモンが彼女を呼ぶ声が聞こえた。
麗が顔を上げると珊瑚宮の方から空とパイモンがこちらに歩み寄っていた。
「ここにいたんだな。とっくに時間過ぎちゃってるぞ」
『え、嘘！だってまだ時計は……』
麗は自身が所持している懐中時計を見てみると秒針はピタリと止まっていっこうに動く気配がない。
「…止まってるね」
『そんな〜！』
「おっちょこちょいだな……ん？
なぁ麗、お前ちょっと顔色よくないぞ。どこか悪いのか？」
『え…』
パイモンにそう指摘され麗は冷や汗をかいた。
悟られてはいけない
麗は直感的にそう思いニコッと無理やり笑う。
『そう？海風に当たりすぎちゃったのかな』
「本当に平気なのか？」
『うん、平気。心配してくれてありがとう』
「麗は休む場所ある？」
『一応海祇島の宿屋に泊まらせてもらうつもり』
「そっか」
「それじゃあ要点だけ話すね」と空から心海の伝言を聞き麗は二人と分かれた。
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空華(プロフ) - Mirukuさん» リクエストありがとうございます！甘雨ちゃん達仙人組は璃月編の方で書かせていただきます。容彩祭の後なので少しリクエストお応えできるまで時間がかかりますが気長にお待ちください！こちらもいつも作品を読んでくださりありがとうございます！ (2022年9月29日 6時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
Miruku(プロフ) - いつも素敵な作品ありがとうございます！リクエストで甘雨ちゃん含む仙人たちと鍾離先生の絡みをぜひ見てみたいです！これからも楽しく見せていただきます！ (2022年9月28日 21時) (レス) @page32 id: 6887e117d0 (このIDを非表示/違反報告)
空華(プロフ) - 白鷹。さん» リクエストありがとうございます！綾人承知しました！いつも読んでくれてありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月28日 17時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
白鷹。(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！リクエストなのですが綾人と絡ませてほしいです（お茶するとか雑談とか）更新応援しております‼︎ (2022年9月28日 7時) (レス) id: aa069cf9f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空華 | 作成日時：2022年8月24日 18時
