71話【神の心】 ページ22
.
空にソレを見られた麗は苦悶に満ちた表情をした。
「ど、どうして麗が神の心を持ってるんだ？
雷神の神の心は散兵が持ってるんだろ？
取り返したのか？」
『……違うよ』
「これは彼女のだ」
付け加えるようにタルタリヤがそう言うと空が彼を睨む。
「どういうこと」
「そんなに睨まないでくれよ相棒。
説明はこの子からきちんとしてもらった方が相棒も納得がいくだろう？」
「俺はお先に失礼するよ」と笑みを見せながらそう言うタルタリヤは1度麗の耳元に口を寄せた。
「女皇からの伝言だ。
貴方の帰りをいつまでも待ってる、だって」
『！』
「それじゃあね」
タルタリヤはそれだけ言うと麗から離れ去ってしまった。
3人だけの空間の中空気に緊張感が流れる。
「…説明してもらっても、いい？」
『…うん』
麗は座っているベンチに空とパイモンを座るように促しながら口を開いた。
『実はこの神の心を持つ前は風の神の目を持っていたの。結構昔に不老の薬を作って、飲んで、生きて、2000年くらい時が経った時くらいにセレスティア…天空の島に登ったの』
「吟遊野郎が言ってた神の目の持ち主が神になる為の所だよな？」
『うん、影さんたちの為にって思って登ったんだけど…その後記憶がなくて気づいたら天守閣の部屋にいた』
『そうしたらもう神の目はなくて神の心だけがあったの』と笑い話のように言っていた麗の表情が曇る。
『……その後なんだよね、眞さんが亡くなっちゃったの』
「眞って先代の雷神のことか？」
『神子から聞いたの？そうだよ、眞さんは先代雷神で私のもう1人のお姉さん。
彼女が死ぬ１週間前に授かったの』
「…偶然？」
『さぁ、分からない。私が登ったのだって時期がたまたまだったって可能性もあるし全てが全てあの人の思い通りなのかは分からないな』
「あの人？」と首を傾げるパイモンたちに麗は答えず柔らかな笑みを見せる。
『そういえば2人はどうして旅を続けているの？』
「実はな＿＿＿」
パイモンが旅の目的を麗に話し彼女はそれを静かに聞く。
『妹さんを探す旅に…なるほど。手がかりとかあるの？』
「アビス教団にいるかもしれないんだ」
『アビス教団に？厄介な所にいるんだね…』
うーんと悩んだ麗は『次行く国は決まってるの？』と聞くと空は「スメールに」と端的に答える。
『スメール…そっか。気をつけて行ってね』
『(きっと彼女はその神ではないだろうけど)』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空華(プロフ) - Mirukuさん» リクエストありがとうございます！甘雨ちゃん達仙人組は璃月編の方で書かせていただきます。容彩祭の後なので少しリクエストお応えできるまで時間がかかりますが気長にお待ちください！こちらもいつも作品を読んでくださりありがとうございます！ (2022年9月29日 6時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
Miruku(プロフ) - いつも素敵な作品ありがとうございます！リクエストで甘雨ちゃん含む仙人たちと鍾離先生の絡みをぜひ見てみたいです！これからも楽しく見せていただきます！ (2022年9月28日 21時) (レス) @page32 id: 6887e117d0 (このIDを非表示/違反報告)
空華(プロフ) - 白鷹。さん» リクエストありがとうございます！綾人承知しました！いつも読んでくれてありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月28日 17時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
白鷹。(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！リクエストなのですが綾人と絡ませてほしいです（お茶するとか雑談とか）更新応援しております‼︎ (2022年9月28日 7時) (レス) id: aa069cf9f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空華 | 作成日時：2022年8月24日 18時
