70話【公子】 ページ21
.
『今日もいい天気だなぁ…』
「そうだね」
麗がのほほんと平和な稲妻の風景を眺めながらお団子を食べていると聞きなれた声が耳の近くで聞こえた。
嫌な予感がし、ゆっくりとそちらの方を向くとオレンジ色の髪の男性が彼女の隣に座っていた。
瞬間、麗の喉がヒュッと鳴る。
『こ、公子さん…』
「ここで会うなんて偶然だね、占者。
いや今は麗ちゃん、かな？」
彼はファトゥス11位公子、タルタリヤ。
光のない彼の青色の瞳に身を震わせながら公子との距離を置く麗。
『な、何しに来たの、私はもうスネージナヤに戻らないよ』
「うんうん、それは女皇から聞いたよ。
そのことは残念だけど今回は違うことで来たんだ」
『違う、こと？』
「そう、麗ちゃんは散兵が今どこにいるか知ってる？」
どこかに行こうと思う
スカラマシュが麗に言った言葉が脳裏に蘇る。
本当にどこかに行ってしまったんだと思いながら公子の方を見る。
「君は散兵と仲がよかっただろう？
君一人くらいには行方を言っているかなと思ってね」
『……残念ながら、私はすぐボロが出るから教えないって言われちゃった。
だから知らない。ごめんね』
「そっか、残念」
本当にそう思っているのか怪しいぐらい薄っぺらい笑みを見せているタルタリヤを見ていると遠くから「おーい！公子〜！どこだー？」とパイモンの叫び声が聞こえてきた。
麗が後ろを振り向くとそこには空とパイモンがこちらに走ってきていた。
『空くん』
「あれ、麗じゃないか！」
「どうしてタルタリヤと一緒にいるの？」
「相棒たちには言ってなかったみたいだね」
タルタリヤは何を思ったのか麗の肩に手を添えてにこやかに言う。
「彼女は占者。ファデュイに数百年貢献してきた栄誉ある神に等しい存在だよ」
『なっ』
「麗がファデュイの人間！？」
タルタリヤにそう言われ驚愕の声を上げるパイモン。
その中空は冷静にタルタリヤに反論する。
「麗は人間だ。それに」
「彼女は目狩り令を撤廃するのを手伝い、ファデュイに反抗したから？」
「………」
「相棒の言いたいことはわかるよ。
でもね、神に等しい存在って言うのは本当なんだ」
タルタリヤはおもむろに麗の胸元に下がっているお守りを取り、まるで開けてみろといわんばかりに空に投げる。
空は恐る恐るそれを開くと紫色に発行するチェスの駒のようなものが見えた。
「これって…」
「神の、心？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空華(プロフ) - Mirukuさん» リクエストありがとうございます！甘雨ちゃん達仙人組は璃月編の方で書かせていただきます。容彩祭の後なので少しリクエストお応えできるまで時間がかかりますが気長にお待ちください！こちらもいつも作品を読んでくださりありがとうございます！ (2022年9月29日 6時) (
レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
Miruku(プロフ) - いつも素敵な作品ありがとうございます！リクエストで甘雨ちゃん含む仙人たちと鍾離先生の絡みをぜひ見てみたいです！これからも楽しく見せていただきます！ (2022年9月28日 21時) (レス) @page32 id: 6887e117d0 (このIDを非表示/違反報告)
空華(プロフ) - 白鷹。さん» リクエストありがとうございます！綾人承知しました！いつも読んでくれてありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月28日 17時) (レス) id: 15a75e7f42 (このIDを非表示/違反報告)
白鷹。(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いております！リクエストなのですが綾人と絡ませてほしいです（お茶するとか雑談とか）更新応援しております‼︎ (2022年9月28日 7時) (レス) id: aa069cf9f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空華 | 作成日時：2022年8月24日 18時
