被検体､デスゲームをする2【狼ゲームanother】

67話【意識を失ったオオカミ】 ページ18

.

ユウト





狼の処刑が終わり､オサムが狼だったことが判明する。

なんだ､弱虫マリオじゃないのかよ、と思う。


ふと､ボーッと処刑場をずっと見ているゴスロリ狼が目に入った。

アイツまだ処刑場を見ている。

みんなは開かれた扉の方にぞろぞろと行き始めている。

見かねた僕はゴスロリ狼に声をかけた。






ユウト「ゴスロリ狼､行くよ」






しかし､反応はない。






ユウト「…ゴスロリ狼？」







肩を揺らすとグラリ、と体が傾き床に倒れ込む。






ユウト「ちょっ、ゴスロリ狼！？」


リンタロウ「どうしたの？ユウトくん」






僕の声に1番先に反応したのはリンタロウ。

リンタロウは倒れ込んだゴスロリ狼を見るや否や顔を青ざめる。





リンタロウ「Aちゃん！？どうしたの！？」






すぐにゴスロリ狼の体を起こし､呼吸を確認するリンタロウ。

息があるのか､緊迫した表情がホッとした顔になる。





リンタロウ「よかった…寝てるみたい」






「さっきの処刑はAちゃんには過激だったのかもね」とにへらっと笑いゴスロリ狼を背負うリンタロウ。





違う。


コイツはヤバいもんを見ても平気な顔をする奴だ。

そんなことで気絶することなんて絶対にない。


僕はそう思ったが、ここで言ってもここから出られるわけではないと思い､口を噤む。






……弱かった。



ゴスロリ狼は何故か力が強いと言うイメージが合ったのに､触ってみれば小さくて簡単に倒れてしまうぐらい弱かった。


…本人が寝てるからか



僕は考えを振り払い､次の扉へと進んだ。

68話【優しいお姉ちゃん】→←66話【覚えのない感情】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す