被検体､デスゲームをする2【狼ゲームanother】 (ページ11)

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60話【狼か羊か】ページ11

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ミサキ「え…？ユキナリくん、何かわかったん？」

ユキナリ「はい…。やっぱりオサムさんが協力者で間違いありません…」

ミサキの問いにキッパリと断言するユキナリ。

コウ「なに…？」

リンタロウ「そ、その根拠は…？」

ユキナリ「この手帳のメモにある…みんなの名前の横に注目してもらいたいんだけど…」

ユキナリの言う通り､手帳の1ページに書かれている名前の横を見ると不思議な記号が記されてあった。

A「"◎"とか"△"とか書いてある…？」

ユウト「これってなに…？」

ユキナリ「これは…おそらく、アオリさんが狼だと思っていた人を表した記号なんだよ…」

狼だと思った人…？

ユキナリの名前の横には‪✕‬、私の名前には◎と書かれていたのに､オサムの名前の横には何も書かれていなかった。

リツ「狼だと疑っていた人!?」

ユキナリ「う、うん…」

コウ「なるほど…」

ショウマ「あ、あれ…？お、おい…オサムさんだけ…記号がないぞ…」

ミホ「!?い、いったいなんで…？」

ミホが驚きの声をあげる。

理由は簡単だ。

それはきっとオサムが…

ユキナリ「それはおそらく…オサムさんが協力者だからなんじゃないんですか？」

オサム「え…？」

ユキナリの発言にオサムは腑抜けた声を出す。

ユキナリ「この記号は、他の文章と違って…少し雑というか…焦って書いてるようにも見えます…」

「きっとアオリさんは…協力者と話し合いをしながら、この記号をつけたんです…」とユキナリは手帳の歪んだ文字をなぞりながら言う。

確かに立っていれば文字は自然と歪む。

ミホ「確かに、そう言われると…遺体安置室には机とかはなかったし…この記号だけ、少し雑になっているのは…アオリさんが立ったまま、書いていたからじゃないかしら…？」

サトル「ふむ…確かにそうかもしれない…。私も仕事で、立ちながらメモを取るときはあるが…座って書くよりも、不安定だし…少し荒くなってしまうな…」

研究所の所員さんは皆のぼーどっていう板を持っているから安定して書いているけどここはそうもいかないもんね…

私も机がない時に絵を描いたり字を書く時は壁か、床に置いて安定した体勢で書くことが多いかも…