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【十】 決着 ページ10

「絶対に許しません」
そう、冷たく言い放つ女は低い姿勢で
構えており、手には薄緑の光の弓を握り
次の矢を射ろうとしている。
その背には回復し、顔色が戻ったりんが
隠れながらもこちらを覗いている。

(りん、無事だったか。)

りんの無事を確認しすぐ目を
奈落へ戻す。

『ぐっっ』

奈落は周囲に射られた淡く緑に輝く
浄化の矢によって身動きが
取れなくなっていた。

『くっ、、Aよ。それでこの奈落に
勝ったつもりか』
「フン。消えろ」

殺生丸が先程よりも強い剣圧を振るうと
奈落の肉体の左半分が崩れていった。

『クックック。』
「何がそんなに可笑しいのですかっ」
「私は何時でもあなたを仕留めらるというのにっ」

そして、言葉を言い終わると同時に
弓を放つと、何処からともなく
現れた数多な蜂のような虫が壁を作り
奈落を守り始めた。

その様子を見てすぐさま殺生丸は
剣圧を振るうもその先に奈落の姿はなかった。

「っ!!」
悔しそうな表情のAは視線で奈落を追う。
「なにぃ!?Aとやら!何を取り逃がしておるのだ!」
「一発で仕留めんか!」

「邪見様、何もしてないのに偉そう〜」

『クックック』
『A!次はこうはいかんぞ』
『必ずお前は儂の一部となるのだ』

「奈落っ!」
そう名前を叫ぶも本人の姿は全く見当たらない。
自分の爪の甘さが後悔として
心にのし掛かる。
その時_____
殺生丸が膝をつき眉を潜める姿が目に入る。
「!!」


「殺生丸様ぁっ!!」
先程助けた、りんという女の子と
従者であろう邪見と呼ばれる小妖怪が
彼の元へ駆けつける。

「殺生丸様ぁっ。なんとお痛わしい!!」
「ただでさえ、片腕しかないというのに
残された腕もこの傷ではっっ」

奈落から受けた傷からは血が止めどなく
流れ落ちている。

「このような傷、すぐ治る。ゆくぞ」
そう淡々と良い、立ち上がろうとする。

その姿は、先程の戦いと傷で
かなり妖力を消耗している様子だった。

「あの…助けて頂きありがとうございました。」
「その傷、治させては頂けないでしょうか。」


そう、恐る恐る近づきながら
殺生丸に問いかけるも返答はなく
彼は背を向けゆるりと進もうとする。

(……聞こえてなかったのかしら…。)

「殺生丸様っ!このお姉さんすごいんだよ!」
「りんの苦しいのすぐに治してくれたんだ!」
りんが必死に語りかけるが殺生丸は
聞く耳を持たない。
しかし、一歩歩くごとに血が大量に流れ
状態は良くないように感じる。

【十一】 不安と葛藤→←【九】 奈落と殺生丸 その2



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設定タグ:殺生丸 , 恋愛 , シリアス   
作品ジャンル:アニメ
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神田(プロフ) - 面白かったです!!完結となっていましたが更新待ってます! (2022年5月23日 16時) (レス) @page22 id: cf3f4f58f3 (このIDを非表示/違反報告)
くすのき(プロフ) - ハヤさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しいです!!頑張りますね!! (2020年10月27日 5時) (レス) id: b410419c53 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤ(プロフ) - 小説見させていただきました!面白いです更新待ってます! (2020年10月12日 16時) (レス) id: b0e8ef1a15 (このIDを非表示/違反報告)
不思議の国の有栖さん(プロフ) - 犬夜叉トーク、ボ−ド内でやりとりしませんか (2020年8月11日 10時) (レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
くすのき(プロフ) - 不思議の国の有栖さんさん» お返事が遅くなってしまいすみません。小説を読んでくださりありがとうございました!有栖さんのページを見させて頂きました。 犬夜叉トークが出来たら楽しそうですね♪ (2020年8月10日 21時) (レス) id: b410419c53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くすのき | 作成日時:2020年5月21日 2時

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