【十九】思いつき ページ19
(無事傷も治って良かった！
あの邪気も一時はどうなる事かと
思ったけど大丈夫そう！)
(もう私がこの場に居る必要もない…か)
「では…私はりんちゃんの元に戻ります。」
そうAは殺生丸に微笑み、岩から
飛び降りる。
その姿を殺生丸はじっと見つめていた。
ーーーーーーー
ﾁｭﾝ…ﾁﾁ…
辺りには微かに小鳥のさえずりが響き出す。
天井の吹き抜けの先にある枝の隙間からは
ほんのり光が差し込み始めている。
(朝か…。)
殺生丸の傷を癒した後、Aはりんの元へ
戻り添い寝を続けていた。
時折、苦しそうに唸るりんを見て心配になり
そばに寄り添っていたらいつの間にか
朝日が出始めていた。
「ん…Aお姉ちゃん、おはよぉ」
りんは目を擦りながらも起き上がる。
その姿は年相応というより、もっと幼く見え、
Aの心を和ませる。
「ﾌﾌﾌ。おはよう、りんちゃん」
「早起きなのね。よく眠れた？」
「うん！すっごく暖かかったから
よく寝れたよ！！」
「邪見様はまだ寝てる〜！ちょっと起こしてくるね！！」
そう言い、阿吽の腹で鼻提灯を膨らませて
寝ている邪見の元へ行き大声で起こし始めた。
「邪見様！！おーきーてーー！」
その声で提灯は割れ、邪見は目をぱちくり
させながら跳ね上がった。
「わわわわわ！これっっ！りんっ！！」
「でかい声を出して起こすなとあーれほどぉっ！！！！！」
「あ、邪見様おきたー！」
りんは、邪見が起きたことを確認すると
すたこらと移動しもう眼中には無いようだった。
「っておい、聞かんかっ！」
(とほほ。儂はいつまでこんな起こされ方を
されねばならんのだ…。)
そう嘆いていると次は岩を指差しりんが
大声を出している。
「殺生丸様がいないーーー！！！！」
流石にその声にはAも驚き、りんの元へ
駆け寄る。
(本当だ。殺生丸様、居ないわ。)
「また、お留守番だよ！邪見様ぁ！」
この様子からして今回が初めてという事でも
無いようで、りんは平然としている。
「お留守番？」
「うん！そうなの！たまに殺生丸様は一人でお出掛けして、りんたちはお留守番してるんだよ！」
「そうなのね。」
その時、
ぐるるるる
「！！」
りんのお腹の虫が空腹を知らせてきた。
「りん、お腹すいた…。」
「それくらい我慢せんか！りん！」
(確かに昨晩からなにも食べていないし、
お腹すくよわね。)
(どうしよう…。)
そこで、頭にふと浮かんだ言葉を口にする。
「一緒に洞窟を…出てみる？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神田(プロフ) - 面白かったです!!完結となっていましたが更新待ってます！ (2022年5月23日 16時) (
レス) @page22 id: cf3f4f58f3 (このIDを非表示/違反報告)
くすのき(プロフ) - ハヤさん» コメントありがとうございます!!とても嬉しいです！！頑張りますね！！ (2020年10月27日 5時) (レス) id: b410419c53 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤ(プロフ) - 小説見させていただきました！面白いです更新待ってます！ (2020年10月12日 16時) (レス) id: b0e8ef1a15 (このIDを非表示/違反報告)
不思議の国の有栖さん(プロフ) - 犬夜叉トーク、ボ−ド内でやりとりしませんか (2020年8月11日 10時) (レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
くすのき(プロフ) - 不思議の国の有栖さんさん» お返事が遅くなってしまいすみません。小説を読んでくださりありがとうございました！有栖さんのページを見させて頂きました。 犬夜叉トークが出来たら楽しそうですね♪ (2020年8月10日 21時) (レス) id: b410419c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くすのき | 作成日時：2020年5月21日 2時
