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ドサッ
身体が悲鳴を上げている
……本部の結界を通り越してしまった
彼女は僕の腕の中で気絶している
これでも男だよ…
"アリス"に触れたことのダメージは
大きかったらしい
肉体的にも 精神的にも
「どうして…
…僕を連れてきたの?」
「私を…反逆者を助けて…
あのまま放っておいたら
あなたもタダじゃすまないんでしょ…?」
「……そうだね」
さらにタダじゃ済まなくなったけど
「どうして…あたしを逃がそうとしたの?」
<"アリス"が最期に君の心配していた>
「_____僕の"大切な友人"のため」
僕が"君"のためにできること……
彼女は言葉を詰まらせている
「____早く 逃げて」
「……でもっ」
「僕なら大丈夫
それに…」
可笑しいね
君が僕の心配をするなんて
君が敵討ちをするなら
本当にコロさないといけないのは"僕"なんだよ
「僕は歩けないから
そう遠くへは行けない
ごめんね___」
___流石に口が裂けても言えないけど
「足…
怪我…してるの?
それに
その火傷…
あたしを庇って…」
僕は微笑み向けた
ダイナは困った顔をしてアリス石を握りしめた
「もう 治らないよ
僕の足」
変なの…
どうして君が泣くの?
「___許せない」
悔しそうにするの?
「"あの人の目論みを潰す"
____僕は君に」
『コロしてもらうべきかな』
口が滑っていってしまった僕の声は
運良く風に消された
木々が音を立て揺れる
乾いた僕の笑顔が彼女の瞳に映る
___あの足音が聞こえる
「今までの全部演技だから
"君を引き止める"ための____」
大声でいってやった
その証拠に僕の巣に引っかかっているでしょ?
「___もう 逃げられないね ダイナ」
怯えているね
当たり前か…
宙にハリツケにされるなんて
僕でさえもたまったものじゃないよ
「___ごめんね」
《眠れ》
そう命令をした
糸を解くと彼女の身体は床に倒れ込む
サッ
「……お前」
双黒のお兄さんが彼女を抱きとめていた
「たしか 君は…
帽子屋とよくお茶会をしている
____"眠りネズミ"さん」
彼は目を見開いている
「…は?」
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舞華鳥(マイカチョウ)(プロフ) - あづめ.さん» ありがとうございます!! 今回の作品は1年間練った様なものなので楽しんで頂けると嬉しいです☆ (2019年2月18日 19時) (レス) id: 1fb8c4817e (このIDを非表示/違反報告)
あづめ.(プロフ) - 舞華鳥さんの学園アリス大好きです!今作も楽しく読ませてもらいますヾ(*´ー`*)ノ (2019年2月18日 19時) (レス) id: cefdfa88b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞華鳥(鳴海・LM・はるか) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/dasakusha/
作成日時:2019年2月16日 19時