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次の日、俺はAを家に呼んだ。








『おじゃまします…』



「俺はお前の記憶を戻させるで!」



『えっ…そんな事できませんよ』



苦笑いするAに「わからへんやんかー。」と俺は言いながら、
Aと一緒に撮った写真が貼ってあるアルバムを持ってくる。






「ほらー、これAやろー」



『わっ、ほんとだ…すごく仲良かったんですね……坂田さん、変わってないんですね』



「まぁなー。でも、Aも変わってへんよ」







まぁ、さすがにこれだけじゃ思い出さへんか。






『私と坂田さん。どんな感じだったんですか?』



「んー、よう馬鹿しとったなー。テストの点数競ったり、しょっちゅう言い合いしたり、遊園地いったり」



『なんか申し訳ないです。せっかく会えたのに覚えていないなんて……』



「全然。てか、俺が思い出させるから。絶対に」









『私も思い出したいな……坂田さんとの思い出』




そこで、俺は提案を出す。




「……じゃあ、昔よう行っとった所行く?」



『い、行きます!』









『えっ……公園?』



「学校帰りによう寄っとってん。ちなみに、Aが拗ねて先に帰る時は大体ここにおる」



『えぇ〜、なんか恥ずかしいです…』



「そんで、俺が迎えに来てな。拗ねとる時のA可愛かったな〜……」






はっ。何言ってんだ俺は!


Aにとっては、まだ会って間もないやつだぞ!


完全な変態やんか!





『さ、坂田さん、自分で言っといて顔真っ赤ですよ!』


「Aやって赤いよ!」





少しの沈黙を挟み、先に口を開いたのはAだった。





『きっと、楽しかっただろうな…青春時代の記憶がないなんて私も馬鹿だな…』


「……A はな、」


「俺に『楽しかったで。ありがとう』って、言って消えてん。

翌日、学校行ったら机の中に入ってる紙切れに
『坂田とおった時間はめっちゃ楽しかったで!また会えたらええな!』って書いてあってさ。」



「俺めっちゃ泣いてんからなー?
Aは……それも覚えてへん?」






実際、聞きにくかった。


こんなこと思い出させるのは辛いだろうし。






『……私の今もっている1番古い記憶は、飛び降りた瞬間…です』


『辛いことがあって、……死にたかったんだと思います。死ねなかったけど』


『けど、今は生きててよかったと思います!坂田さんにも会えたし!』





「……そっか…」

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作者名: | 作成日時:2019年3月24日 4時

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